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K (近藤): こんにちは。今日はハワイ書籍の生き字引とも言える浅海さんにようやくお会いできてワクワクしています。

A (浅海): こちらこそお手やわらかに。

K: ハワイ関連の書籍が満載の布哇文庫ではときどき文献探しにお世話になっています。雑誌『フラレア』でも書評コーナーを持っていらして、深い読みをされているなと、いつも感心しています。とにかくハワイの本については膨大な蔵書と知識を持っているぞ、というのがハワイフリークのみなさんが持つ共通のイメージだと思うのですが、どうでしょう?

A: いえ、いえ、そんなことはないですよ。ハワイ関係の本を読むのはたいていは週末だけですし、せいぜい7、8時間というところかな。

K: それでもすごい。 (笑) サイトには膨大な書籍情報がありますが、いったいいつ頃からハワイの本に興味を持ちはじめたんですか?

A: うーん、そうですね、たぶん6年前にホームページを作ったときです。ハワイには元々興味はあったんですが、じつはサイトを立ち上げたときはそれほど本を持っていなかったんですよ。ただ、本棚を眺めるとハワイ関係が目立つかなという程度でした。

K: でも、いまはすごい量ですよね。蔵書は何冊くらいあるんだろう?

A: 400冊くらいかな? あまり数えたことがないのでざっと、ですが。

K: たいへんな量だ。で、先ほどの質問ですが、サイトをつくってから、400冊になるまでの経緯は?

A: ハワイの本専門のサイトを立ち上げてから意識して本を集め始めたわけで、順序が逆ですよね。ちょうどオンライン書店、古書店とかが充実し始めたこともあって、それからハワイに関係した本を手当たり次第に購入しました。

K: 元々、本が好きだったんですか?

A: ええ、大好きです。ハワイ関係もそうですが、中学生くらいのときからミステリやサスペンスなんかも読んでいて…。

K: つまり、活字中毒だったわけだ。もしかして『本の雑誌』の愛読者じゃありませんか? (笑)

A: ええ、よくわかりますね。(笑) でも、文学は苦手なんです。

K: ところで、ハワイを最初に意識したのはいつ頃のことですか?

A: むかしむかしですが、テレビで「アップダウンクイズ」っていうのをやっていまして、チャンピオンになるとハワイへ行けたんです。あ、そう言えば、「トリスを飲んでハワイへ行こう」なんてのもあったな。

K: なるほど、テレビを見てハワイへの憧れがつのったんだ。

A: そう。だから、物心ついたときからハワイは楽園のイメージです。(笑)

K: 初めてハワイへ行ったのは?

A: 8歳か9歳くらいのときかな。家族旅行だったんですが、行きはさくら丸という船でした。

K: え、船で?

A: ハワイまで7日ほどかかりました。帰りは飛行機ですけどね。動物園や水族館に行ったことや、フルーツがおいしかったのは覚えているな。そうそう、あの当時、ドールのパイナップル畑にはまだ小さなゲストハウスしかなくて、農場で収穫した直後のものを食べさせてくれたんですよ。

K: それはなかなか貴重な体験ですね。

A: そのとき、ハワイの日系人にも何人か会っているのですが、子ども心に、強烈に印象に残ったのが現地の邦字新聞なんです。だって、活字が旧漢字で、そのすべてにルビ(ひらがな)が打ってあるんですよ。そのときから頭の片隅に彼らのことが住みついた気がします。

K: いまでも総ルビ新聞は健在ですよ。(笑) その後は?

A: だいたい5年に一度くらいの割合で行ってます。

K: 浅海さんの年齢を考えると、ずいぶん恵まれた環境でしたね。

A: いえ、ごくふつうのサラリーマン家庭です。親戚がハワイにいたということが大きかったですね。

K: その後、ハワイの近代史や日系人社会に興味を持つようになっていきますよね。

A: ハワイで史跡などを見るようになったのは 30歳くらいのときかな? ひとりでダウンタウンや、観光客のあまり行かないところへ行くようになったんです。クイーン・エマのサマーハウス(※ハナイアカマラマ)とかね。古いものに興味があって、とくに1800年から1970年代までのハワイの歴史については、それからいろいろ勉強をはじめました。

K: ホームページではジャッドのコーナーもありますが、きっかけは?

A: 『カラカウア王のニッポン仰天旅行記』(小学館)を読んでからです。ハワイ史の要所要所に登場するこの人物はいったいだれなんだろうと。

K: これからもジャッドや日系人の資料を中心に読書はつづくのでしょうが、最後に今後のサイトの展開を教えてもらえますか?

A: いまはほとんど更新していなくて、申し訳なく思っているのですが、年内には大きく変えます。データ検索機能も持たせるつもりですので、利用してくださっている方はご期待ください。(笑)

K: 今日はどもうありがとうございました。

Strong Recommended by Shin-ichi Asasmi
『ワイルド・ミートとブリー・バーガー』ロイス・アン・ヤマナカ著
東京創元社

 ハワイの日系人がひどく貧しかった時代、周囲の白人はおろか、日本人からも異端視された少女の孤独と成長を、父親との関係を中心に描いていく。ピジン・イングリッシュともいわれるローカル英語を駆使した文体はとてもユニーク。

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『日本の陰謀』ドウス昌代著
文春文庫

 ハワイにおけるサトウキビ畑の戦力として期待された日系移民は、度重なる労働争議に加え、祖国日本の軍事力増強もあって、地主を中心としたハワイ社会に警戒されるようになる。その渦中に爆破事件が起こった。裁判を追った著者の取材力はすごいのひとこと。当時の日系人社会と、それを取り巻くハワイの白人中心の社会との確執が手に取るようにわかる。

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『 To Honolulu in Five DaysCruising Aboard Matson's S.S. Lurline』 Lynn & Nick Krantz and Mary Thiele Fobian著
Ten Speed Press

 かってのアメリカ本土からハワイへのアトソン汽船の旅を追体験できる。作られた「楽園」イメージとはいえ、それがいかに魅力的なものであったかを理解できる。ノスタルジーに浸るも良し、観光の歴史を考えるも良しの一冊。

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浅海伸一 (あさみしんいち)
東京都世田谷区出身 八王子在住
ウェブサイト「布哇文庫」を主宰

http://www.asahi-net.or.jp/~rf2s-asm/index2.htm

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