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ハワイ島日和

溶岩を見よう!

NOPU
2002年の溶岩の様子

 ハワイ島の一番の観光スポットは、やはり「火山」でしょう。ハワイ島観光の目的は「溶岩を見ること!」と仰る方も多いのではないでしょうか。コナ空港に降りると、真っ黒な溶岩大地が広がっています。でも、冷え固まった溶岩ではなく、今まさにドロドロ流れている溶岩を見るには、ボルケーノ国立公園へ行かなくては。

 ドロドロと流れている溶岩は、ボルケーノ国立公園から海へとのびる、チェーン・オブ・クレーター・ロードの先で見ることができます。チェーン・オブ・クレーター・ロードの終点までは、車で行くことができますが、その先は冷えた溶岩の上を歩いて、ドロドロの溶岩を見に行きます。車から降りてどれ位歩くのかは、火山活動の様子によって、しばしば変わるので注意が必要です。チェーン・オブ・クレーター・ロードの行き止まりから、すぐに溶岩を見ることができたり、数時間も歩かなくてはいけなかったり、あるいは見ることができないこともあります。なかなか「車からすぐにドロドロの溶岩」という状況にはならないようですが、幸運なことに、私は数年前、火山活動が活発な時期にハワイ島へ行くことができました。

 2002年、大規模な火山活動が起こり、流れてきた溶岩はチェーン・オブ・クレーター・ロードの終点を変えてしまいました。ドロドロの溶岩は、チェーン・オブ・クレーター・ロードを横切って、海へと落ちているそう。その様子は夜が特に素晴らしい、と聞いて日没過ぎに到着するよう車を走らせました。街灯もないこの道は、7時にもなると真っ暗です。でも、溶岩見物のたくさんの観光客で、ちょっとお祭りのような騒ぎでした。懐中電灯を片手に、チェーン・オブ・クレーター・ロードを歩いて行くと、なんだか空気が熱くなってきました。花火の後のような、火薬に似た刺激臭が鼻をつきます。黄色い「立ち入り禁止」のテープが見えた、と思ったらそのすぐ側は、ドロドロの溶岩でした。暗闇の中、赤く燃える溶岩は、とてもきれいです。でも、熱い!溶岩に近寄るのはとても危険ですが、それ以前に熱すぎて近寄れません。溶岩の方から熱風も吹いてきて、まるでオーブンの中にいるようです。ところどころで、草も燃えています。「すごい!すごい!!」私だけではなく、この場にいる全員が興奮しています。ただ、真っ暗で辺りの様子が今ひとつ分かりません。そこで翌日、昼間にもう一度チェーン・オブ・クレーター・ロードに行ってみました。

ドロドロの溶岩は昼間に見るとこんな感じです

 昼間に見ると、溶岩の赤い色は、夜間ほどはっきり見えません。しかし、チェーン・オブ・クレーター・ロードを横切って、溶岩が流れている様子は、よく分かります。海の方で水蒸気があがっている場所がありますが、おそらくあの場所から溶岩が海に落ちているのでしょう。かなり近くに見えるのですが、ドロドロの溶岩に阻まれて見に行くことはできません。夜には分かりませんでしたが、ドロドロの溶岩は、山から海への斜面をかなりの広さで流れているようです。それにしても、車を降りてほんの10分ほど舗装路を歩くだけでドロドロ溶岩が見られるなんて!この時期にハワイ島に滞在できて、本当にラッキーでした。

2006年の様子。溶岩が海に落ちて水蒸気を上げています

 今年の春に、また溶岩を見に行ってきました。さて現在の溶岩の様子は、と言うと、2002年のように間近に溶岩を見ることはできないようです。それでも、ドロドロの溶岩が海に流れ落ちる様子を、少し遠くから眺めることができます。溶岩を見るなら、やっぱり夜!ということで、日が落ちる頃、チェーン・オブ・クレーター・ロードの終点へ。終点には、ボルケーノ国立公園のレンジャー・ステーションとトイレがあり、火山や溶岩の様子を示すボードが掲示されています。ここで最新情報をチェック。溶岩のビューポイントまでの距離や、日没の時間なども掲載されており、とても便利です。ここには持っていくべき水の量まで記載されていますが、飲料水を多めに持ち、ハイキングに適した靴を履くことがとても大事です。日中は帽子や日やけ止めなどの暑さ対策、そして夜は懐中電灯も絶対必要。

海に落ちる溶岩を見物する人々
夜になると、水蒸気はオレンジ色に輝きます

 辺りも適当に暗くなってきました。レンジャー・ステーションやトイレは、もしも溶岩が流れてきた時のために、可動式になっています。ここから通行止めの場所まで十数分、舗装路を歩きました。チェーン・オブ・クレーター・ロードを横切るように溶岩が大地を覆う場所からは、黄色い蛍光板が道の目印になります。この辺りは、滑らかなパホエホエ溶岩なのですが、それでも溶岩の上を歩くのは、舗装路を歩くのとは勝手が違います。ゴツゴツした溶岩はところどころ小山になっていたり、穴が開いていたりで、歩くのもとても大変。蛍光板の道標の近くは、比較的歩きやすいのですが、足元に注意しながら進みます。暗くなってからは、この蛍光板が頼り。本当に真っ暗なので、懐中電灯がないと、帰って来られなくなります。しばらく歩くと、既に数人の人が座って夕暮れを待っている場所に着きました。少し先に、溶岩が水蒸気を上げて海に落ちている場所が見えます。私たちも、お尻に合いそうな岩をみつけて日が暮れるのを待ちました。

 日が暮れるに従って、白い水蒸気を空高く吹き上げて、海に落ちる溶岩の中に、オレンジ色の光が見えてきました。白かった煙は、オレンジに染まり、中心は大きな焚き火のように真っ赤に燃えています。炎と煙が、漆黒の夜空へと、ゆらゆらと揺れながら昇っている様子は、いつまで見ていても飽きません。溶岩が海に落ちる様子をぼんやり眺めているうちに、ボルケーノの夜は静かに更けて行くのでした。


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