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ハワイ島日和

ハワイの森を歩こう!その2

NOPU
ハイウェイ沿いにあるマヌカ・ステイト・パーク
水分を含むコケ類

 ハワイでのハイキングは、トレイルごとに様々なハワイの姿を見ることができる、わくわくするような体験です。溶岩の上を歩くトレイルが多いと思われるハワイ島ですが、森の中を歩くトレイルもたくさんあります。前にご紹介した、キプカ・プアウル・トレイルも森の中を歩くトレイルの一つですが、今回ご紹介するトレイルでは、また違ったハワイの森を見ることができました。

 コナからハイウェイをどんどん南下して、カウ地区に入るとマカデミアナッツ農場が道沿いにたくさん見えてきました。この辺りは、ハワイ島のほとんど南端です。やがて山側に「MANUKA STATE PARK」の看板が現れました。マヌカ・ネイチャー・トレイルは、この州立公園内を周回するトレイルです。許可を取れば、トレイルの入口の広場でキャンプをすることもできるそうです。私たちが、公園に着いた時は、今にも雨が降り出しそうな雲が垂れ込めていました。途中で雨が降ってくるかな、早く歩こう、などと思いながらハイキングの準備をしていると、車内に蚊が入ってしまいました。その蚊を外に出そうとしていると、車内の蚊は3匹、5匹、と瞬く間に増えてしまいました。一抹の不安を感じながらも、今にも雨が落ちてきそうな空に背中を押されるように、ハイキングへと出発したのでした。

ネームプレートが付いている植物もあります

 さて、マヌカ・ネイチャー・トレイルは、トレイル沿いの植物にネームプレートが付けられており、植物の名前を覚えるのにもいい場所です。途中、巨大なクレーターを見ることもできるし、一周約3.5kmというのも、なかなかほどよい距離、と期待しつつハイキングを開始しました。ガイドブックなどによると、ハイキングの所要時間はおおよそ2〜3時間ということですが、植物をたくさん観察したいし、3時間くらいかかるかな。鬱蒼とした森の中へとトレイルは続いていきます。この辺りは雨が大変多いようですが、スポンジのように水を含んだ苔や、こんもり茂るシダが大変美しい。植物に付けられたネームプレートには、番号が付いており、道標にもなっています。この番号に従って、左回りにトレイルを歩いて行きます。

深く落ち込んだピット・クレーター

 トレイルはやや上り坂になってきました。ふと気がつくと、耳元でブーン、ブーン、という羽音がしています。蚊です。マヌカ・ネイチャー・トレイルは、とてもとても蚊が多いトレイルだったのです。歩いている分には、まだいいのですが、少しでも立ち止まると、蚊があっという間に集まってきます。落ち着いて写真を撮ることもできません。途中、何度か蚊よけスプレーをかけましたが、あまり効果がありません。半袖・半ズボンで来てしまった私たちは、大変困った状況になってしまいました。今では、ハワイのどの島にも蚊はいますが、西洋人がやってくるまで、ハワイには蚊はいませんでした。野生の豚たちが、地面に掘った穴に雨水が溜まり、ボウフラの巣になっているそうですが、木の根元の小さな穴や洞から、たくさんの蚊が飛び出してくるのを目撃してしまいました。もはや、ひたすら早く歩いて蚊を振り払うしかありません。

オヒアの森を蚊に追われつつ行く

 やがて、トレイルは崖に突き当たりました。一見、崖のように見えるここは、実はマグマが噴出してできたクレーターです。ピット・クレーターと呼ばれるこの穴は、今では深い森の中に埋もれてしまい、かつてマグマが吹き出たという感じはしません。雨による侵食のためか、縁に生えた木が穴へと倒れこんでいます。密林の中の深い穴を眺めていると、また蚊が集まってきてしまいました。蚊に追われるように、ピット・クレーターを後にしました。時折、トレイルが深い草に覆われてしまい、道を見失いそうになります。しかし、立ち止まって考えていると、蚊が集まってきてしまうので、とにかく即断してトレイルを進みます。マヌカ・ネイチャー・トレイルには、ハワイの文化とも密接な様々な植物を見ることができるらしいのですが、じっくり探したり観察したりする余裕がなくなってしまいました。本当に蚊というのは、鬱陶しいものです。

後から来たグループの犬。犬も蚊に追われて辛そう

 やっとハウの茂みが見えてきました。ハウはマヌカ・ネイチャー・トレイルの最後に紹介される植物です。なんと私たちは1時間弱でトレイルを駆け抜けてきてしまいました。蚊さえいなければ、ハワイの森の中で、楽しい植物観察ができる場所なのですが。こんなに蚊が多かったのも、もしかしたら季節的なものなのでしょうか。また違う季節に、長袖・長ズボンでマヌカ・ネイチャー・トレイルに挑戦したいと、思っています。


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