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E Pili Ka Kou(エ・ピリ・カコウ)その3

ミノリ・K・エバンズ

2日間の参加チケットには両日のランチ、パーティでのディナー・プレートがついてくる。こちらは初日のランチ

 ゆるゆると甘い気持ちで参加した私には、「E Pili Ka Kou」はなかなかに手強いイベントだったけれど、ひさしぶりにアドレナリンがぶわんと湧き出たようでもあって、各クラスともに楽しかった。一番心地良かったのはマカのカヒコ・クラスである。実はマカは、私がフラを習っているハラウとはファミリーにあたるハラウを率いている男性で、大きな意味で私は彼のHAUMANA(ハウマナ=生徒)ということになる。マカは私たちが彼のクラスに参加するのを知った時、「ほかのクムのクラスを受けたらいいのに、どうしてボクのクラスを受けるの?」と真剣になって私たちを他のクラスに行かせようと説得しにかかった。というのも、普段からファミリーにあたるハラウのクムがそれぞれ定期的に持ち回りでWORK SHOPをやってくれているからで、私にはマカからレッスンを受ける機会が、たくさんあるからだ。説得されつつもやはりマカのクラスを受けて、心地よかったのは「はぁ〜、いつもの雰囲気」に触れた安堵感とでもいうのだろうか。いつものように、マカのWORK SHOPは笑いがたくさんで、とてもカウアイぽくてホっとさせてくれるものだった。もちろん、他のクムから受けたWORK SHOPもそれぞれに違う雰囲気を持っていて、そういう時間を体験できたのも良かったと思っている。


夜のパーティでは昼間のレッスンの成果を発表する

 2日目の最後に受けたNaomi Kalama(ナオミ・カラマ)のカヒコのクラスでのこと。10代なかばくらいの若い少女たちが数人参加していて(これがまた、とても上手い。そして可愛らしいことこの上ない)、休憩時間にクムと彼女たちが話をしているのを私はぼんやりと聞いていた。「あなたたち、いつからフラをやっているの」とクム。「3歳くらいです」と彼女たち。「そう...」と言って、しばらくフラに関する話が彼女たちの間で行われていたのだけれど、印象深かったのは、その10代の少女たちがクムを見る視線や態度であった。少女たちの身体のいろんなところから、クムであるその初老の女性への尊敬の念が出ていて、何というか、「うらやましいな〜」という思いで私はその会話を聞いていた。伝えていく文化があるということ、伝えていくべき精神性があるということは何てステキなことなのだろうと...そんなことを私は感じていた。何気ない彼女たちの会話に、私はすこし感動さえしていた。私は自分が暮らしていた大阪の町での日々を思った。もっと速く、遠く、広く、便利な世の中へとスピードを増していく都会の暮らしの中で、窮屈そうに暮らしているお年寄りの姿が思い浮かべられた。日本でも私たちの世代が継承していくことがあるんだろうな...そんなことをつかの間だけれど、ぐぐっと考えてしまった。世代から世代へと継承されていく文化や精神性...そういうものに、ここカウアイで、私はフラのある暮らしを送る中で、たくさんたくさん接する機会をもらっている。だから、私は最近、それを日本に置き換えて、また自分たちの世代に置き換えて、時々考えてみたりするのである。


道端のプルメリア。甘い香りが鼻をつく

 さて、2日間とも夜はパーティである。昼間に習った曲のホイケ(発表会)を兼ねて、このイベントに参加しているクムとそれぞれのクラスに参加した生徒が、その日習ったレッスンの成果を発表する。夜のパーティはただただ楽しい雰囲気である。踊って唄って、食べて笑って。カウアイにしては少し肌寒い冬の夜は、にぎやかににぎやかに更けていったのだった。

 ちなみに、いくつかあるイベント趣旨の中には、「フラに存在するスタイルの違いを目で見て肌で感じることができるイベント」「同じフラを愛する新たなトモダチをつくることができる」と挙げられている。たしかにその通りのイベントで、楽しい2日間だった。想像してたよりは厳しかったけれど、そういうのもたまには楽しい。いろいろなクムや、ほかのハラウの人々の踊りが見られるいい機会でもあるし、カリフォルニアやドイツからやってきた人々とトモダチにもなった。「ヤバイ」「マズイ」の連続で、ヒィ〜ヒィ〜言いつつも、タイミングがあえばまた来年も参加してみたいな〜と思っている私なのである。


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