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モキハナ・フェスティバル (1)

ミノリ・K・エバンズ

ハワイ語で歌い上げる子供たち

 9月、10月は、イベント・シーズン。毎週末のようにあちらこちらでさまざまなイベントが開催されて、賑やかな季節である。そのイベント・シーズンの幕を切ったのが「Kauai Mokihana Festival 2005(カウアイ・モキハナ・フェスティバル)」。今年で21年目を迎えるイベントである。毎年9月の最終日曜日に始まり、次の土曜日まで一週間を通して、毎日どこかで趣向を変えて、ハワイの文化に触れる催しが行われる。今年の開催日は、9月18日〜24日。私のクムフラ(フラの先生)である、プナがこのお祭りのオーガナイザーの一人ということもあって、私たちハラウ(フラの教室)のメンバーは毎年のようにスタッフとして参加している。


お姉さん&お兄さんクラスの迫力ある演奏と歌声

 さて、モキハナ・フェスティバルも間近に近づいてきたある日、プナが私たちに「今年は、ウニキやホイケなど、エネルギーを注ぎ込む行事が続いたあとだから、モキハナ・フェスティバルへのスタッフとしての参加はなしにしましょう」と言った。そうなんだ、今年はスタッフとして働かなくていいんだとちょっと笑顔が浮かんだ私。というのも、モキハナ・フェスティバルの最終3日間は「フラ・コンペション」となっていて、カウアイ島からはもちろん、ハワイ他島や日本からハラウが出場して、フラの踊りを披露し合うのだが、ふだんはスタッフとして働いているため、残念ながらそれらをゆっくり楽しめる機会がない。今年は観客だぁ〜と喜んでいるところへプナから「ね、月曜日にある“Kauai Composer's Contest”(作詞作曲コンテスト)の会場にTシャツ売りに行ってくれる?」と電話が入る。う〜ん、やはり会場で働くのか...と思った私。プナはボランティア精神旺盛な人で、良い意味であねご肌なところもあり、人から協力援助を頼まれれば「NO」とは言えない傾向がある。モキハナ・フェスティバルでの売り上げの一部は奨学金制度の寄付金になることもあって、出来るだけの協力を... と思っているのだろう。「喜んで」と返答をする私なのであった。


カウアイにホームステイ中のニイハウ島の子供たちのステージ

 初日の日曜日は恒例の教会での「Opening Pule」(開催の祈り)に参加。月曜日夜にあった“Kauai Composer's Contest”(作詞作曲コンテスト)の会場では、Tシャツ売りに没頭していたのである。このTシャツがまた、当日に出来上がってきたばかり、まさに出来たてホヤホヤで、折り畳むのに触るとまだ温かいというのが印象的であった。さて、翌日の朝。またプナからの電話。「今日のプログラム行くでしょ?」「い、いや予定はしてなかったのですけれど」と私。「今日のプログラムがモキハナ・フェスティバルでも一番最高。ぜひ見に行きなさい」とプナ。「はぁ、じゃぁ行ってみようかな...」というと、「じゃ、うちにいるBOYSたちをピックアップして連れていってあげてね。あとで会場で会いましょ。A hui hou!」と電話が切れる。なんだそいうことかと納得する私。その時期、プナの家には神戸から、プナの知り合いの息子さん2人がホームステイに来ていた。一ヶ月あまりのホームステイの中で、免許がなくて車にも乗れず、ヒマを持て余し気味の彼らをどうにか喜ばせてあげたい...と思いつつも、あちらこちらへと忙しいプナはなかなかそれがままならず、困ると同じ日本人である私のところへお呼びがかかるというシステムになっていたのである。


幼稚園児たちの微笑ましいステージに会場全体がほんわかムードに包まれた

その頃にはすっかり顔見知り状態になっていた神戸BOYSをピックアップして会場へ到着すると、なかなかの賑わいである。実は、モキハナ・フェスティバルの時期にカウアイにいるのはこれで5回目になるのだけれど、フラ・コンペ以外のプログラムにはほとんど足を向けたことがなかった。プナがオススメしたこの日のプログラムは「“Eo,E Lili'u”Children's/Youth Music Competition」。カウアイ島にいくつかあるハワイアン・スクールの子供たちによる、チャントやフラの披露。コンペと名前がついていて、いろいろな賞が設定されていたものの、競技色のほとんどない、ほぼ発表会に近いような印象を受けた。下は2〜3歳くらいのチビッコから、上は中学生くらいまでの子供たちが、ハワイ語でチャントやオリ、フラを次々に披露していったが、純粋に「可愛らしい」と笑みがこぼれるようなものから、「すごいっ!」と唸ってしまうようなチャント(詠唱)まで存分に楽しめる数時間であった。たしかに、プナが「一番だ」とオススメするのもうなずける。「ああ、こうやって、このハワイという土地で受け継がれてきた言葉や文化が、次世代へとバトンタッチされていっているのだなぁ」ということを、目の前で見せてもらえたような、そんな気がした時間であった。そしてそれは素晴らしいことだなぁと思ったのである。


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