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Fumiさんと、「Puahina」

ミノリ・K・エバンズ

お店にかかる「Puahina」のサイン

 前回ご紹介した「Banana Patch Studio」のあるハナペペの町には、もう一軒、私が時々、立ち寄る場所がある。ハワイの植物などをプリントしたタンクトップやTシャツ、ワンピースなどを製造販売している「Puahina」というお店である。ここのオーナー夫妻の、とくに奥さんのFumiさんとトモダチということもあって、島の西側へ行く時には立ち寄って、軽く立ち話なんかをしていくのだ。


Louiさん&Fumiさん

 Fumiさんは鎌倉出身。1999年に結婚をしてカウアイに移住してきた。16歳の時に日本でサーフィンを始めた。カウアイとの出会いは、旅でオアフ島ハレイワにサーフィンの大会を見に行った時のこと。天候不良でサーフィンの大会は中止になったものの、同時に予定されていた「HAPA」というハワイアン・ミュージックのバンドのライブが予定通り行われると聞き、「HAPA」ファンだったFumiさんは駆けつけた。「しかも無料だった」らしい。そのライブでフラを踊っていた、ヘアラニ・ユンの踊りに魅せられて、ライブ終了後、楽屋裏を訪ねて「あなたからフラを習いたい」と連絡先を聞いたという。「ずいぶん、行動的だねぇ」と言うと、「いやぁ、なんかすごい感動しちゃったんだろうねぇ」とFumiさん。


各アイテムをコーディネートしてみると、こんな感じ

 実は、私がフラを習い始めたきっかけもまったく同じというのが、ちょっとおもしろい。私の場合は、日本で、しかも河内長野市という辺鄙(河内長野市の方、すみません)な場所で、当時大好きだった「HAPA」のコンサートに行き、そこでヘアラニの踊りを見て、フラを習い始めた。ヘアラニさんから連絡先をもらったFumiさんは、そこで彼女が「カウアイ」のクム・フラであることを知って、少々驚いたらしい。「カウアイかぁ...」。てっきりオアフの人なんだと思い込んでいたという。幸運なことに、カウアイに住んでいる知人がいて、ちょうど仕事を辞めてフリーの身になっていたというタイミングもあり、Fumiさんはビザなしで来られる3ヶ月間をカウアイで過ごすことにした。それが1997年の冬のことだった。


ルイさんのブランド「Warrior Designs Hawaii」のTシャツ。こちらは男性向き

 3ヶ月を過ごして日本に戻り、またカウアイへ戻ろうと考えていた頃、将来ご主人となるルイさんと鎌倉で出会った。ルイさんが日本に住んでいたお兄さんを訪ねてやってきていた時のことだそうだ。カウアイで3ヶ月過ごすのには、住む場所とか車とかいろいろ準備がいる。ルイさんは、「ボクが探しておいてあげるよ」と言ってくれたらしい。カウアイに来てみると、探してくれているはずのものは、何も探してくれていなかったらしいけれど、互いにハワイ文化に興味を持って、勉強したいという共通の思いを持つ者同士、一緒に時間を過ごす中で、結婚に至った。移住後のFumiさんは、ルイさんのやっていたTシャツ&アロハシャツのブランド「Warrior Designs Hawaii」を手伝い始めた。カヌービルダーやスターナビゲーションなど、ハワイ文化をモチーフにした図柄を用いたTシャツなどである。その中で、自分がこんなのが着たいなぁ、欲しいなぁと思う服や、小物のデザインを手がけ、商品化していくようになった。そして、Fumiさんのブランド「Puahina」が誕生した。


フラのレッスン用にコーディネート

 「Puahina」ブランドのアイテムは、パラパライ、ラウアエ、ウルなど、ハワイの植物をポイントに入れたウエア類が主体。タンクトップ、Tシャツ、スエットパーカ、スエットスカート、ワンピースなど。また、フラのレッスンで使う、パウ・スカートなども手がけている。日本でも、フラをやる人の間では、比較的、名前の通っているブランドではないかなぁと思う。従来やっていた、製造&卸し、またイベント会場などでの販売を経て、お店を出したのが、2004年5月のこと。一年が経った2005年5月に、現在の場所に移転した。もちろん、私も「Puahina」ブランドの愛用者の一人。ハワイの植物などをモチーフにしつつも、派手派手しくなくシンプルで、普段着として、フラのレッスン着として、またワンピースなどはちょっとしたお出かけ着として、幅広く活躍してくれる。Fumi さんとちょっと立ち話...にと思って寄ったはずが、ついつい毎度のことのように購入してしまうのだ。


色も涼しげなサマーワンピース

 そのFumiさんは、いまもヘアラニ・ユンという、カウアイのクム・フラについてフラを習っている。まったく同じきっかけでフラを習い始めた私は、つい2年ほど前まで、ヘアラニさんがカウアイのクムということも知らずに、他のクムのもとでフラを習っている。ヘアラニさんがカウアイのクムであることを知ったのも、偶然のことだった。我が家の近所のトレイルでヘアラニさんを偶然見かけたことがあった。これでも人見知りなところがある私は、普段だったら、話しかけるようなことはまずしない。けれどもその時に、くっきりと鮮やかな虹がヘアラニさんの背後にかかって、何となくそれに背中を押されるようにして話しかけたのだ。自分がフラを習ったきっかけはあなただったのだと私は話した。そして、2年ほどが経った今年の1月、「E Pili Kakou」というフラのイベントで初めてヘアラニさんのワークショップを受けた。ヘアラニさんは道で話しかけた私を思い出してくれて、「ついに、私のレッスンを受けたわねぇ」と笑っていた。Fumiさんと私、フラを始めたきっかけは似ているけれど、その後のフラとの関わり方はずいぶん違う。だけれどやはり、フラというものに接していることで、どこかでまたつながっている。カウアイという土地もまた、私たちをつなげてくれている。人と人の縁というのはおもしろい。

 ...と話は逸れてしまったけれど、カウアイに来られる際にはぜひ「Puahina」を覗いてみてください。サイズも日本人向きで、お土産にも最適。でも、できれば旅の最初の方で立ち寄って、「Puahina」の服を着て、カウアイの旅を楽しむというのもオススメです。


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