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誰も来ない

ミノリ・K・エバンズ
これが今年の「ハロウィーン・バスケット」

 10月31日は「ハロウィーン」。我が家にとっては、引っ越をしてから初めて迎える、新居での「ハロウィーン」である。とはいえ、我が家は夫婦揃って、イベントごとに興味がない。だから、「ハロウィーン」も「サンクス・ギビング」も、それから「クリスマス」さえも、容易には、頭のカレンダーにマークされない、“世の中で起こっている出来事”なのである。今年も例に漏れず、当日まで、「ハロウィーン」のことは忘れていた。いや、と言えば、ウソになる。今年は「ハロウィーン」を楽しんでみようと、どんな仮装をするか、計画を練っていたのだ。しかも、数ヶ月も前に。私は以前、日本にいた頃に好きでよく見ていた、アメリカのTVドラマシリーズ「ER」のドクターになろうと計画していた。ウォーレンは、「ハワイに来て、はしゃいで、大やけど状態になっちゃった観光客」になる計画だった。フラシスターの中に看護婦がいるので、「ER」の人はどんな服を着ているのか聞いてみたり、病院に行ったついでに、「ER」に迷ったフリをして、中を見学してもみた。うす紫のシャツにパンツ、首からは聴診器、右胸にネームカード、足元は白いテニスシューズ、手には患者さんのカルテを挟んだバインダー・・・(ERを観てる人なら、よく理解してもらえると思います)。計画を立てているだけで心ワクワクと楽しかったものである。

ラナイで子供を迎える準備ばっちりのウォーレンとパコ

 ウォーレンの方は、アロハ・シャツに柄の合わないサーフ・ブランドのサーフ・ショーツ、白い長めの靴下にテバ・サンダル、肩からカメラ、ウエスト・ポーチ、キャップもサーフ・ブランド、露出している手足を真っ赤っかに塗る。これでとてもイケていない観光客の出来上がりである(というわけで、ハワイに来る時は要ご注意)。ほんとうだと、同じアロハ柄のムームーでも来た女性が隣にいると、なおさら効果が高いのだけれど、こういうのは白人でないと雰囲気が出ない。まして、日本人にも見えない私では無理である。・・・と、こんな風に計画を練っていた。ところが、どこでどうしたものか、計画を練るのが時期尚早過ぎたのか、一気に盛り上がったがゆえに一気に冷めたのか、やっぱりもともとイベント好きじゃなかったからか。何を境にかもわからないまま、計画は自然消滅し、「ハロウィーン」は突然、忘れられた存在としてやってきた。

庭先のサイン

 「マズイ」「ヤバイ」....私の日常にとてもよく出て来るこの2つの言葉を交互に発しながら、当日も夕方になって、私は「ウォルマート」へと走った。「ウォルマート」へ行ってみると、たくさんの人が、扮装する衣装や、チョコレート、キャンディを買ったりしている。「なんだ、みんな、間際だぁ〜」と大安心する私。さて、バスケットの中を何で埋めようかなぁという段になると、燃えて来る私である。チョコレートやキャンディだけじゃ芸がない。どうせなら、我が家に来る子供たちを「この家はサイコーだぜぃ!(って、そんな風には言わないだろうけれど)」と唸らせてみたいではないか。まずは基本となるチョコレートを数種類、キャンディを数種類。それに、パーティ用の小さなオモチャのパック、ピロピロ笛(吹くと丸まった紙筒が飛び出すアレです)、スーパーボール....といろいろな種類を買う。そして、サイン(看板)。この辺りから、私の気持ちはようやく「ハロウィーン」モードに入ってくる。

ジェシカ一家
庭先で寂しく光るかぼちゃのお化け

 家に戻って、バスケットに買って来たものをザザっと入れて、ザクザクっと手で混ぜる。「う〜ん、なんだかいい感じ」と自画自賛のバスケットの出来上がり。帰宅したウォーレンに、サイン類のセットアップを頼む。「でも、今日はフラのレッスンだって言ってなかったっけ?」とウォーレン。あ、そ、そうだった。「ほんとだ。じゃ、あとは頼むよ!」と言うと、「へっ、オレ?」とウォーレン。「じゃぁ、パコ(うちの犬)に頼む?」と言うと、「いいよ、ちゃんと番をしときますよ」と快く(でもないか)、「ハロウィーン」担当者になってくれた。ところが日が暗くなっても、庭先のかぼちゃのお化けが光を増す時間になっても、誰も来ない。前に住んでいた家では、夕方5時にもなるとドドっと子供が押し寄せてきてたものである。「この辺りはスタートが遅いのかもねぇ」なんて言っているうちに、可愛いファミリーがやってきた。蜂に扮装したお母さんが「Hey You!」と私を差して言った。よぉく見ると、フラシスターのジェシカ一家である。互いに近所に住んでいるのは知っていたものの、彼女たちが我が家を発見したのはこの日が初めて。「誰も来ないんだよ。来てくれてありがと。全部持って帰っていいよ」と言うと、この近所はあまりイベントごとを楽しむ習慣がなくて、子供たちはもっと町へ出て、収穫を狙うのだとのこと。ジェシカの2人の子供たちは5軒を廻ってきたらしいが、「持ってけ、持ってけ」と言われて、すでに手提げ袋は満杯に近かったのである。さて、この日のフラ・レッスンは、電話がかかってきてから始まるという、よくありがちな時間の予想のつかないパターンで、けっきょく私は夜遅くに家を出た。帰宅は深夜を過ぎたので、翌日、「あれから誰か、来た?」とウォーレンに聞くと、「一組だけ、来た」と、前の家では「ハロウィーン」担当者は大変だったけれど、それなりにやりがいもあったウォーレンくんは、ポツンとそう言った。来年こそ、ERドクターになって、どこかのパーティに繰り出してみよう....かな。

 


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