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I miss Hawaii (ハワイが恋しい)… ミノリ・エヴァンス
 先日、カリフォルニアに行ってきました。旅の多い暮らしですが、その98%はフラの旅。今回は親戚の結婚式に出かけるための、ひさびさのプライベートな旅です。

 行き先はロスアンジェルス。カウアイからは直行便があり、飛行機で5時間ほどの旅になります。カウアイに暮らしているというのは、日本で言うと、南の小さな離島に住んでいるようなものだと私はよく思うのですが、どこに出かけるのにも便利なことはひとつもありません。日本に行くのも、ヨーロッパに行くのにも、はたまたネイバーアイランドに行くのにも乗り換えが必要です。(あ、オアフだけは飛行機1本で行けます☆)今回はカウアイ・リフエ空港からの直行便、しかも飛行機でたったの5時間とあって、ココロも軽く、旅の支度も一時間ほどで完了です。

 L.A.に行くのはとてもひさしぶりで、夫婦で一緒に行くのは初めて。たった5日間の旅なのに、「サーフボードを持っていくべきかな〜」と悩んでいるウォーレンに「不要!」と説得。ウォーレンは4人兄弟の末っ子で、オアフ島生まれ、カイルアで幼少期を過ごして、ビッグアイランドで育っています。お姉ちゃん、お兄ちゃんが2人、みんなオアフ生まれのビッグアイランド育ちです。そのファミリーメンバーの中でいまもハワイで暮らしているのは、ウォーレンとその一つ上のお兄ちゃん(こちらはいまもビッグアイランド)。あとのみんなはアメリカ本土にぽつんぽつんと離れて暮らしています。

 今回は、ひさしぶりにファミリー•メンバーが顔を揃える機会になりました。そして何と言っても私が楽しみにしていたのが、ウォーレンの一番上のお兄ちゃんとその奥さんとの初対面。結婚12年目にして初めての対面です。事前のメールで、「ついに会えるね〜」とその興奮を伝え合いました。
 「何年、お兄ちゃんに会っていないの?」と聞くと、「26年くらいかな〜」と普通に言われ、「あ、そう。」と聞き流しそうになって、「ええ〜っ、26年!!!」とビックリしたものです。そういう兄弟もいるのですね。

 L.A. に到着したのは早朝5時。バゲージクレイムから出て外に向かうと、そこにニコニコ顔で出迎えてくれるカップルが。ウォーレンのお兄ちゃんとその奥さん…義理のお姉さんです。
「やっと会えたね〜!」と互いに喜びを伝え合う私とお義姉さんの隣で、「ひさしぶり〜、波いい?」といきなりサーフィンに話が飛んでいるウォーレン。26年ぶりに会っていきなり「波いい?」はちょっとどうですか、とは思ったものの、兄弟なんてそんなものなのかも。お兄ちゃんの方はお気に入りの弟との再会で、破顔の笑顔。「今日は波ないよ」と苦笑していました。

 2人は私たちがL.A. に行くと言うので、仕事を一週間休んで「どこにでも連れてくよ!」と万全のホスト体制。「ハンティントンビーチとカマミロ・アウトレットモールに行きたい!」と私たち。朝食のあと、さっそくハンティントンビーチに向いました。ハンティントンビーチ〜♪と、違う意味で大興奮のウォーレンと私。到着してみると、サーフストアがズラリと軒を並べています。「全部廻って来る〜」とどんどん歩き出す私のあとを、3人が思い出話に花を咲かせながらついて来る状態になりました。翌日のアウトレットでのショッピングも同じ状態。どうやらショッピング好きは私だけ? と、若干心苦しい思いもありましたが、「ウォーレンと話せてるだけで楽しいから気にしないで!」とお兄さん。カフェに座ったり、木陰に佇んだりしながらずっと話を続ける2人。ショッピングに興奮中の私、それにつきあうお義姉さんという状態で2日間を過ごしました。

 余談ですが、サーフストアにならぶサーフ・ブランドの衣服はハワイよりもカリフォルニアの方が断然お安いのでは? と思っていた予想を大きく裏切って、価格はまったく同じ。直営店は多いけれど、ハワイの方が選択肢も多いことを知ってびっくりしました。散財に至らなくて何よりでしたが。笑

 2日間をそうして過ごした翌日からはお姉さんやおばさん、姪っ子たちも一緒になって、さらにファミリー・タイム。ひさしぶりに会うので話は尽きないよう。中でも話題は今回の旅のメイン•イベント、結婚式。そして新婦になる親戚というのはなんとウォーレンたちのママです。我が家もそうでしたが、各子どもたちにも突然「ウエディング・インヴィテーション」(結婚式招待状)が届いたよう。「やるわよね〜」「ったく、やるよな〜」と苦笑し合って時間が過ぎていきました。

 結婚式は教会で行われました。ハワイからマイレ・レイを持ってきたほしいと、リクエストを受けていた私たち。持参したマイレを、新郎と新婦の首に無事にかけられてホッとしました。「どうしてマイレを結婚式で使うの?」とメインランド出身の新郎。「マイレはツルを幾重にも重ねてそれをヴィリ(巻いて)にして、長く強くしてひとつのレイにするので、新しく一緒に歩み出す2人の道もそうあってほしいとの願いを込めているのでしょうね」と私。

 結婚式も無事に終わったあとは、隣の部屋に設置された、簡単なパーティ会場で軽食タイムとなりました。モグモグとお菓子を頬張っているところに仕切り人(?)の男性がやって来て、「フラを踊るということで、音楽はどうしますか?」と。「えっ!?」と思わずアゴの落ちてしまった私。「私が踊るんですか?」「はい、新婦さんからそう言われました」 … き、聞いてないし。その日の私は、膝上丈の黒いワンピに膝下ブーツという格好。大きな声では言えないけれど、パンストの上にはブーツの中で足がすべらないように足首丈の黒いソックスを履いていて、ブーツを脱げる状態ではなく。
「ママ、ブーツのまま踊るけれど許してね」と言うと、
「A'ole! (アオレ/ダメ!)。ブーツでフラを踊るものじゃない、脱ぎなさい」
「いや、脱げないの」(脱いだら、まるで飛脚のような格好になってしまうの〜〜)
けっきょくカーテンの影でソックスを脱ぎ、パンストは目をつむってもらって、踊ることに。「ステージで踊られますか?」と聞かれ、「もちろん床で、そこで踊ります」と私。長いスカートを履いてくるんだった〜!と思ってももう遅い。ここに私のクム・フラがいたら、「みっともない」と苦笑されるような場面です。

 ともかくは、iPhone に入っていたレッスン用の曲を流して一曲を踊り終えて、会場にいた人から暖かい拍手をいただきました。みんな、優しいな〜。

 そこにお兄さんが来て、「すごく良かった。すごく良かった」と言ったかと思うとぶぶぶっとお兄さんの目に涙が溢れました。そして「I miss Hawaii (ハワイが恋しい)… 」と。そうなんだ、もう30年以上も前にハワイを出てカリフォルニアで暮らしているけれど、ホームタウンが恋しいんだとこちらも胸がジュンとしました。思いを噛み締めて、まだ目をしばしばさせているお兄さんと私のところへ、

「ウケた、ウケた〜。おもしろかったな〜」と飛び込んできたのはウォーレン。
たしかに太ももを見せながら踊った姿はあなたには面白かったでしょう。
でも、空気を読め!

 あっと言う間のカリフォルニアでの最後の日。ウォーレンとお兄ちゃんは朝早く起きてサーフィンに出かけていきました。「波なかった〜」と一時間ほどで帰ってきて、3人で朝食へ。「いいな〜、やっぱり。朝から弟とサーフィンしてこうして朝メシ食って。懐かしいな」とお兄さん。幼い頃はいつもお兄ちゃんとサーフィンに行ってたウォーレンもとても楽しそうにしていました。遠く過ぎた時間を一緒に懐かしめる人がいるって、とても温かいことだなと思いながら、腰にタオルを巻いてブルブル震えながら笑って朝食を採る兄弟を、ちょっとシアワセな気持ちで眺めていました。

 今回の旅では、「I miss Hawaii」と言って涙ぐんだお兄さんの姿が印象的でした。いろいろな事情があって住めないけれど、故郷のハワイを思いながら、メインランドで暮らしている人はとても多いと聞いています。それは切なくもあるけれど、でも同時に心の中に思いを寄せられる故郷があるというのは、とても恵まれたことでもあるのかなと思います。

 そしてハワイは、ここで生まれ育った人だけではなく、都会で忙しい暮らしをしているたくさんの人にとって、思いを寄せては心をユルませられる場所でもあるのだろうなあと思います。

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