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第121回「クィーンエマのサマーパレス」
アン
クイーンエマのサマーパレス
クイーンエマのサマーパレス
 皆様アローハ!

 今日はカメハメハ4世とエマ王妃の夏の別荘として知られ、ヌウアヌにひっそりと佇む「クィーンエマのサマーパレス」(ハワイ語ではハーナイアカマラマ)をご紹介しましょう。

 パリハイウェイのヌウアヌ渓谷に行く手前に、ひっそりとクィーンエマのサマーパレスは建っています。1848年にハワイ政府より土地を購入したのは、ハワイ系白人のジョン・ルイスで、この建物の土台はボストンで作られ、ハワイに輸送し組み立てられたと言われています。その後エマ王妃の叔父にあたるジョン・ヤング2世が買い取りました。ジョン・ヤング2世には跡継ぎがなく、この建物は姪のエマ王妃に譲られました。


アルバート王子の揺り籠(Photo by “Memories of Majesty at Hanaiakamalama” Book)
アルバート王子の揺り籠(Photo by “Memories of Majesty at Hanaiakamalama” Book)
 玄関から入ってすぐ右の部屋にはベッドが2つあり、ハワイアンキルトが飾られています。エマのサマーパレスのキルトコレクションは全部で24枚ありますが、常時展示されているのはこの部屋に2枚、その次の部屋に2枚の4枚です。古いものでは1880年頃作られ、寄付されたキルトが一番古いですが、カメハメハ4世やエマ王妃が使われていたキルトではありません。

 すぐ右の部屋のベッドはコアの木で作られた当時のものです。アルバート王子用の揺り籠も当時のもので、王子の誕生時に王と王妃によって注文され作られたもので国宝となっています。これにはハワイの固有種の木、コア、コウ、ミロ、カマニが使われています。


ベビーベッドに展示してあるロケラニローズのハワイアンキルト(Design by Jean Ballentyne Stevens, appliqued by Louise Ballentyne, quilted by Virginia Dominis Koch, 1987)(Photo provided by Daughters of Hawaii)
ベビーベッドに展示してあるロケラニローズのハワイアンキルト(Design by Jean Ballentyne Stevens, appliqued by Louise Ballentyne, quilted by Virginia Dominis Koch, 1987)(Photo provided by Daughters of Hawaii)
 実はこのアルバート王子は4歳の時に、突然亡くなりました。久しぶりの王家の跡継ぎの突然の死に、王と王妃の落胆は想像以上だったでしょう。そして王子が亡くなって1年後には王も亡くなってしまいました。1年の間に夫と息子を亡くしたエマ王妃は悲しみに明け暮れ、王族のお墓、マウナアラを2週間離れなかったと言われています。玄関を入って2番目の右の部屋には王子の遺品が展示されています。ガラスの棚の一番上には、イエイエを編んで作られた子供用のヘルメットが展示してあります。これは王子のために作られたものです。また消防士を夢見ていた王子用の洋服などもあり、今でも悲しみが伝わって来ます。大きなベッドにも、小さいベビーベッドにも、それぞれキルトがかかっています。ベビーキルトは白地にブルーのこのサマーパレスの庭でも見る事のできるロケラニローズの「Lokelani O Kaleleonalani」と呼ばれるデザインで作られています。

王家のマント(Photo by “Memories of Majesty at Hanaiakamalama” Book)
王家のマント(Photo by “Memories of Majesty at Hanaiakamalama” Book)
 他の部屋にはカメハメハ王家に伝わる鳥の羽で出来たマント(ʻAhu ʻula)も展示されています。マントにはハワイ固有の植物オロナを使い、王家の色である、赤と黄色は、ハワイ固有の鳥イイヴィの小さい赤い羽と、絶滅した固有の鳥、マモの黄色の羽を何千も使い束ねたもので作られています。このマントが完成するには鳥を殺さずに羽を取りながら作ったと言われ、3代にもかかり完成したということです。このマントはイギリスのハイトファミリーが購入していたものを、エマのサマーパレスを現在運営している、Daughters of Hawaiiに寄付されたものです。(ハワイでは王朝がなくなった後、貴重な調度品や貴重品、家具などが、新しい政府により世界中に売られてしまったという経緯があります。)

ロイヤルキャビネット(Photo by “Memories of Majesty at Hanaiakamalama” Book)
ロイヤルキャビネット(Photo by “Memories of Majesty at Hanaiakamalama” Book)
 一番奥の間は「エジンバラの間」と呼ばれ、ロイヤルキャビネットはコアの木で出来ています。イギリスのプリンス・アルバートとヴィクトリア女王からの王と王妃への結婚祝いとして贈られたものです。ハワイの木をヨーロッパに送り、そこで作り、またハワイに送り返したという素晴らしい家具です。

  緑のビロード製のヴィクトリア朝長椅子はエジンバラ公からの贈り物だということです。この部屋には肖像やピアノなども展示してあり、歴史やイギリス皇室との関わり合いも伺えます。

 また廊下にも玄関入って左の部屋にもカヒリと言われる、ハワイ固有の鳥の羽で作られた王族の象徴も展示されています。


シェルジンジャー
庭園のシェルジンジャー
ロケラニローズ
庭園のロケラニローズ

レフア
庭園のレフア

 パレスの周りには庭園が広がります。表にはロケラニローズ、シェルジンジャー、レッドジンジャー、レフア、 ラウアエ、バード・オブ・パラダイスなどの植物が楽しめます。裏手には大きなコアの木、ハウツリー、アメリカンネムノキなどもあり、ヌウアヌの大自然に囲まれた静かな避暑地だったということが伺われます。 エマ王妃の大好きだった紫色のエマのスパイダーリリーとマンゴーはその当時に植えられたものだと言われています。

裏庭のコアの木
裏庭のコアの木
 私が数年前に作った「エマ王妃のサマーパレス」というベビーキルトには庭園で見る事のできる植物をデザインしています。

 ホノルルの街から車で20分くらいなので、一度は是非行かれてみて下さいね。

私のデザインしたエマ王妃のサパーパレスのベビーキルト
私のデザインしたエマ王妃のサパーパレスのベビーキルト

By アン

Queen Emma Summer Palace
2913 Pali Highway
Honolulu HI 96817
Tel: 808-595-3167
ホームページ: http://daughtersofhawaii.org/2013/09/27/queen-emma-summer-palace/ (英語のみ)
時間:毎日9時から16時 アメリカの祭日は休み
入場料:大人$10(一人)、小人$1(一人)
ガイドツアーは通常英語ですが、日本語ツアーもあるので、前もって連絡して確認して下さい。



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キルト・ストーリー藤原小百合アン「キルト・ストーリー」(アロハ検定協会)
全32ページ 180円

フラ、レイと並び、ハワイの文化を象徴するハワイアンキルト。その誕生から今日に至る歴史を通じ、キルトに込められたさまざまなメッセージを教えてくれる。実践編では、ハワイアンキルトの約束事や用語、道具などの解説をはじめ、作品制作にあたって注意すべきことなどを、写真を用いながらわかりやすく解説する。また、ハワイ各島を代表する植物と色をテーマにした作品紹介などもある。巻末にはキルト教室とアンティ(先生)の、ハワイ文化における関わりについてページを割いている。

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