ハワイの自然、文化、歴史がテーマのアロハWEBカワラ版
目次
【バックナンバー】
特集:知る・歩く・感じる
キルト・パラダイス
ハワイ日和
ミノリのカウアイ日記
アロハ・ブックシェルフ
ハワイ・ネットワーク
新定番!ハワイのおみやげ
スタッフルーム
アロハ・ピープル
フラ・ミュージアム通信
【ホクレア号】
ホクレア号横浜到着
ホクレア号での航海生活
ハワイの食卓
スタッフのいちおしハワイ
ハレピカケ倶楽部
アロハ・コラム
パワー・オブ・ハワイ
私のフラ体験
ハワイ日系移民の歴史
アストン・ストーリー
>アイランド・クローズアップ
ハワイ島編
マウイ島編
ホロホロ.ハワイ
カワラ版 トップページ
バックナンバー
クリック!
 
RSS1.0
第131回「ライマン・ミュージアム」
アン
ライマン・ミュージアム
ライマン・ミュージアム
 皆様アローハ!

 私が住んでいるハワイ島ワイコロア地区から車で約1時間半のヒロの小高い丘の上にあるライマン・ミュージアム。ニューイングランド地方から遠いハワイの地にキリスト教、アメリカの教育を伝えに来たライマン夫婦が暮らしていた建物が、今では博物館となっています。


ライマン夫妻が生活をしていたミッション・ハウス
ライマン夫妻が生活をしていたミッション・ハウス
 デイビッド&サラ・ライマンは1832年にニューイングランド地方から6ヶ月の航海を経て、ハワイ島のヒロの地にやってきました。現在のライマン・ミュージアムのミッション・ハウスは1839年に建てられたもので、 ハワイ固有の植物オヒアやコアは家のフレームに使用されました。現在でもその一部は屋根裏部屋で見ることができます。草葺き屋根の家が主流だった当時には珍しい、角材を使ったウエスタンの家が建てられました。ハワイ島で最も古い木造建築であり、1974年にはハワイ州の歴史建造物に、そして1978年には国家歴史建造物に指定されています。

 今ではライマン・ミュージアムは2つの建物からなり、昔のライマン夫妻の生活が再現されているミッション・ハウスとその隣にある建物は(ミュージアム)、昔のハワイの人々の生活(アイランド・ヘリテージ・ギャラリー)、文化、アースヘリテージ・ギャラリー、特別な展示などが常時開催されています。


10人以上が座れ、ライマン夫人が料理を振る舞ったダイニングルーム(Photo:Lyman Museum/写真提供:ライマン・ミュージアム)
10人以上が座れ、ライマン夫人が料理を振る舞ったダイニングルーム
(Photo:Lyman Museum/写真提供:ライマン・ミュージアム)
 ミッション・ハウスの中を見学するには、ガイド付きツアーに参加しないといけませんが、貴重な1839年〜の調度品、家具、床なども見ることができるので、参加する価値があります。ミッション・ハウスのドアを開けるとすぐにリビングルームがあります。左手にはダイニングがあり、10人は座れるという大きなダイニングテーブルがあります。ライマン夫人はここでハワイ王国の皇族をはじめ、マーク・トウェインやイザベラ・バードなどの著名人も招待し、ニューイングランドの料理や、ケーキやお茶などを振る舞ったと言われます。夫人は日記をつけるのが日課であり、1833年から亡くなる1885年まで毎日綴っていました。その日記より、いろいろな歴史がひもとかれています。


ライマン夫妻のベッドルーム
ライマン夫妻のベッドルーム
(Photo:Lyman Museum/写真提供:ライマン・ミュージアム)
 右手には夫妻のベッドルームがあります。こちらの壁紙はオリジナルの「Diaper Trellis」という名前の付いた1860年代の壁紙を複製したものです。ロッキングチェアーやドレッサーは夫人のオリジナルの家具です。ベッドの上には、夫人の母メリーが作ったオリジナルで、熟練された手法で作られたキルトが掛けられています。

 この部屋から奥の部屋までの床の一部は、オリジナルのコアの床板が使われています。貴重なコアの床ですが、その上を歩けるというのはかなり貴重ですね。子供7人を育てるのに使われたベビーベッドやおもちゃなども展示してあります。

2階のガールズ・ルームはとてもシンプルなインテリアでハワイアンキルトのベッドカバーが掛けてあります
2階のガールズ・ルームはとてもシンプルなインテリアでハワイアンキルトのベッドカバーが掛けてあります(Photo:Lyman Museum/写真提供:ライマン・ミュージアム)
 2階に上がると子供たちの部屋やソーイングルームなどがあります。ガールズ・ルームというのは、娘のエレンとエマ・ライマンがシェアした部屋で、クリーム地にブルーのハワイアンキルトがベッドに掛けられています。このキルトは1973年にどこからか購入したものらしく、詳しい歴史はわかりません。ただ当時に使われていたものではないようです。ミッション・ハウスの内観は写真が撮れないので、ここでご紹介している写真は担当の方からいただいたものです。ハワイアンキルトのデザインが何であるかも不明なのですが、シンプルな部屋のインテリアにはとてもマッチしていました。

 ソーイングルームにはミシンもおかれています。1860年くらいまで、ライマン夫人は家族の服をすべて縫っていました。ミシンが来てからは、夫のライマン氏が設立したヒロ・ボーディング・スクール(男子校)の制服も縫っていたと言われます。後に、生徒たちにもミシンの使い方や縫い方を教え、それからは生徒たちが自分たちの制服を縫ったと言われています。

 ライマン夫妻が亡くなった後は、夫妻の子供たちの間でいろいろと相談され、末娘のエマやその娘たちがこの家をミュージアムにすること決断しました。と同時に最初はハイリ・ストリートの上に位置していた家を、ハイリ・ストリート沿いに90度回転させ、移築しミッション・ハウスは現在の位置になりました。ヒロの街の誇りでもあるライマン夫妻の家、ライマン・ミュージアムは2006年には設立75周年を迎え、今でも次の世代へ歴史を受け継ぐ重要な場所になっています。

 2014年もキルトパラダイスを読んでいただきまして、誠にありがとうございました。素敵なクリスマスと年末をお過ごしください。2015年も皆さんにとりまして、素晴らしい1年になりますように!

By アン

 

Lyman Museum & Mission House
276 Haili Street, Hilo, HI 96720
Tel: 808-935-5021
時間:月曜〜土曜 10時〜16時30分
ミッション・ハウス・ツアー:11時〜14時までの間(時間が変更になる場合もあります)(英語のみ)
料金:大人 $10、シニア $8、子供(6歳〜17歳) $3

参考資料: Lyman Mission House
Published by Lyman Museum
http://lymanmuseum.org



facebook始めました!:
https://www.facebook.com/pages/Annes-Hawaiian-Quilt/681572441861121


【好評発売中】アンさんの新刊が発売されました

ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力
画像をクリックすると、Amazonのサイトから本を購入することができます。
「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」
伝統と歴史がはぐくんだハワイの手仕事

著者: 藤原小百合アン
発行: 誠文堂新光社
発売日: 2014年4月14日
価格: 2,800円(税別)
判型: B5変型、208ページ


ハワイアンキルトの歴史や伝統のパターンやステッチだけでなく、その由来や歴史、そして基本的なハワイアンキルトの作り方まで知ることができる一冊。

いままでアンさんがこのコーナーで紹介してくれた歴史的なハワイアンキルトが残る場所や、キルトのモチーフになる植物に出会える植物園も紹介されているので、キルターだけでなく、ハワイの歴史や文化に興味のある方にもぜひ目を通していただければと思います。
 


個人情報保護の方針 クッキーの利用について
Copyright (C) 2002-2003 PACIFIC RESORTS.INC., All rights reserved.