ハワイの自然、文化、歴史がテーマのアロハWEBカワラ版
目次
【バックナンバー】
特集:知る・歩く・感じる
キルト・パラダイス
ハワイ日和
ミノリのカウアイ日記
アロハ・ブックシェルフ
ハワイ・ネットワーク
新定番!ハワイのおみやげ
スタッフルーム
アロハ・ピープル
フラ・ミュージアム通信
【ホクレア号】
ホクレア号横浜到着
ホクレア号での航海生活
ハワイの食卓
スタッフのいちおしハワイ
ハレピカケ倶楽部
アロハ・コラム
パワー・オブ・ハワイ
私のフラ体験
ハワイ日系移民の歴史
アストン・ストーリー
>アイランド・クローズアップ
ハワイ島編
マウイ島編
ホロホロ.ハワイ
カワラ版 トップページ
バックナンバー
クリック!
 
RSS1.0
食卓を飾るさかな (2)
近藤純夫

ハワイでは高級魚として知られるオパカパカとオナガ、それに、たたきに人気があるアクを紹介します。

■オパカパカ

高級魚として知られるオパカパカ

 オパカパカ(Pristipomoides sieboldii)は、和名をヒメダイ(姫鯛)、またはチビキモドキと言い、英名をPink Snapperと言います。写真のように褐色をしていますが、オナガ(ハマダイ)と似ています。見分けるポイントは2カ所あり、背びれがそれほど凹んでいないことと、尾びれがあまり長くないことです。インド洋や太平洋の熱帯地域、紅海、ペルシャ湾と、広い地域に生息しています。日本でも九州や沖縄の近海に生息します。比較的大型の魚で、成魚は60cmほどになります。

レストランに置かれた魚の紹介パンフレット

 褐色なのになぜピンクという英名が付いているかというと、釣り上げた直後はピンク色に輝いているからです。体色がすぐに変化する点はマヒマヒと似ています。ハワイで釣られるオパカパカは、平均0.5kgから2.5kg。北西ハワイ諸島で釣り上げられるものはもっと大きく、平均1.5kgから5.5kgあります。ちなみに、ハワイでのシーズンは10月から2月にかけてです。冬が旬ということになりますね。

 オパカパカはレストランでは高級魚として扱われます。1kg以内のものはマーケットに卸されますが、大型のものはレストランに卸されます。オパカパカは焼く、煮る、炒める食べ方がおいしいとされていますが、冬は脂も乗り、刺身の人気が高くなります。身が柔らかく、ほのかに潮の香りが漂う、とても上品な魚です。観光地では寿司ネタやフランス料理がとくに人気です。

■オナガ

結婚式などに欠かせないオナガ

 オナガ(Etelis coruscans)は、和名をハマダイ(浜鯛)、またはアカチビと言い、英名をRed Snapperと言います。ハワイ名はウラウラ(「赤い魚」の意味)と言いますが、ハワイではオナガで通ります。背びれの中央が大きく凹んでいることと、尾びれがとても長いことが特徴です。全長が1mになる大型魚で、南日本を中心に、太平洋の熱帯地域、インド洋などに生息しています。クセのない白身の肉は刺身や昆布じめ、蒸し物、鍋物など、どんな料理にも合いますが、ふつうは調味料をつけずにそのまま焼くか、炒めるかして食べるのがいちばんです。冬の脂の乗ったものは刺身の人気が高くなります。

オナガのポキ

 ヒメダイと同じく、ハワイでは高級魚として扱われます。日系人はマダイを連想するのか、祝い事の席にオナガの刺身を出します。オナガは平均8kgほど。2kg以下のものは丸ごと蒸して食べますが、5kg以上のものは高級レストランに卸され、氷の上に置いてディスプレーし、客の注文があると調理します。オナガが注目されるようになったのはここ数年のことで、それまではオパカパカが高級魚の代名詞でした。今日ではオナガもその仲間入りをしています。

■アク

たたきやポキが人気のアク

 アク(Katsuwonus pelamis)は、和名をカツオ(鰹)、英名をSkipjack tunaと言います。アクは世界の温帯から熱帯にかけて広く生息しています。捕獲後に現れる数本の縦じま(*1)が特徴です。大きなサイズほど肉の赤みが濃く味もよいとされています。アクは一般には2kgから7kgくらいのサイズですが、ときに7.5kgから14kgにもなります。ハワイでも土佐の一本釣りと同じく、一本釣りで釣り上げます。アクの競りは卸売業者が中心ですが、レストラン関係者も直接買い付けにきます。また、一定以下のサイズはマーケットに出荷されます。

 たたきの需要が多いのはハワイでも同じです。そのほかに、煮付け、炒め、塩焼きなどにもされますが、アヒと同じくポキにしたものも人気があります。鰹節もありますが、主に日系人の需要です。

 ハワイの伝説にもアクが登場します。南の海からハワイを目指して航海していたときのこと、首長とその民を乗せたカヌーは嵐に遭遇し、沈没の恐れが出ました。そこで祈祷師(カフナ)が嵐を鎮める祈りを捧げました。与えられた啓示は、「アクの群れが現れたら嵐は治まる」というものでした。そして、彼らは無事ハワイ諸島にたどり着きました。その後、ハワイ人は年に数日、アクを口にせず、この体験を心に刻みつづけました。

 *1 魚の縞のたてと横は、魚の頭を上、尾を下にした状態で表現します。

次回は地底の世界(1)と称して、溶岩がつくりだす、不思議な空間についてお話しします。
【ハワイの動物】
 鳥たちの世界 (1) 2003年1月16日
 鳥たちの世界 (2) 2003年2月6日
 サンゴ礁のサカナ (1) 2004年2月19日
 サンゴ礁のサカナ (2) 2004年3月4日
 食卓を飾るさかな(1) 2004年8月5日
>> その他のバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。

個人情報保護の方針 クッキーの利用について
Copyright (C) 2002-2003 PACIFIC RESORTS.INC., All rights reserved.