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UMAHANAさんと行くハワイ島レイ・メイキング・ツアー 比嘉景子
マリー・マクドナルドさんの農園を散策
植物の説明をしてくださったローエンさん

 先月末(2007年11月)に、レイ・メイカーとして活躍されるUMAHANAさんこと大谷幸生さんと一緒に、「UMAHANAさんと行くハワイ島レイ・メイキング・ツアー」に参加して来ました。読者の皆さんも、ハワイ関連のイベントや雑誌などで、UMAHANAさんの作品をご存知の方も多いのではないかと思います。今回の旅は、オアフ島を素通りしてハワイ島4泊という短い旅でしたが、盛りだくさんの日程で、私自身もハワイ島滞在は初めてということもあり、とても楽しみにしていました。

 今回の旅のメインイベントは、UMAHANAさんのレイ・メイキングのクムであるマリー・マクドナルドさんの農園の訪問でした。2006年のハワイ州政府観光局のコマーシャルにジェイク・シマブクロさんと共演していたマリーさんの姿をご覧になった方も多いのではないかと思います。マリーさんの作るレイはとても美しく、コンテストで数々の賞を受賞され、ナショナル・トレジャー(人間国宝)として表彰されました。
 UMAHANAさんも、レイ・メイキングを始めた頃に、雑誌でマリーさんの特集を見て感銘を受け「なんとかしてぜひ会いたい!」とチャンスを求め、やっと実際に会ってレイ・メイキングを習うことができたそうです。今回の旅は、ハワイ島のマリーさんの農園をUMAHANAさんがご自身の生徒さんと一緒に訪れ、日本でもレイ作りを楽しむ事ができるようになったお礼を伝えたいという願いから始まりました。参加した生徒さんは、フラを習っていらっしゃる方やロミロミ・セラピストの方などハワイや自然が大好きな方ばかり。皆さん、憧れのアンティ・マリーに会えるとあってかなり興奮気味でした。

真剣な眼差しでローエンさんのデモンストレーションを見つめる皆さん
シダや花など彩を考えながら真剣にレイの材料を選びます

 宿泊先のハワイ島コナを出て、途中パニオロで知られるパーカーランチで休憩を取りながら、マリーさんの農園へ向かいました。私たちが到着すると、マリーさんと、お嬢さんのローエンさん達が沢山のお花を用意して待っていてくれました。ご挨拶をした後、お二人が様々な木や花が咲き誇る10エーカーの農園を案内してくださいました。「もともと私と主人がこの農園を手に入れた頃は、たった3本しか木がなかったんですよ」と、マリーさん。お二人とも、ご家族でこの農園にお住まいです。こんなに美しい場所で花に囲まれて暮らすことができるなんて、羨ましい限りです。

 マリーさんはモロカイ島出身で、幼い頃からお母様のレイ作りを見て育ったそうです。メインランドの大学を卒業した後は、ハワイ文化の研究・教育者として活躍され、現在はレイ・メイキングの他に樹皮を伸ばして布のようにして使うタパの制作や研究もされています。こちらの農園では、その昔、二つのグリーンハウスでカーネーションも育てていたそうですが、現在は敷地内でオーガニックの野菜を育てていて、地元の人気レストラン「メリマンズ」で味わうことができるそうなので、お薦めです。農園内には、ハワイアン・ソングやフラでお馴染みの植物も沢山あり、実物を見ることができてとてもよい経験になりました。農園には、なんと日本の花もありました。その一つが桜の木。マリーさんが植えたという立派な桜の木は、1月頃に満開になるそうです。ハワイで見る桜もきっと美しいことでしょう。その他にも、淡いブルーの可愛らしいアジサイなどが咲いていました。

UMAHANAさん
座って作業を進めるチーム

 農園の散策を終え、デッキに戻ると、予め私達の為に特別に用意してくださったお花がバスケットに溢れていました。ローエンさんが、糸を通した20cmくらいの長い針を使って作るレイを見せてくださいました。これは、今回のツアー参加者のほとんどが既に作られたことがあるとのこと。今回は、マリーさんとローエンさんと一緒に、シダと花を一緒に編みこんでいくヴィリ・レイを作成しました。見本を見せてくださったローエンさんの手際のよさにびっくり!ハワイ島花であり、火山の女神・ペレが愛する花としても知られる真っ赤なレフアを編みこんでいく「ヴィリ」(レイの作り方の一種)はため息が出る美しさです。ローエンさんのデモンストレーションを見た後、「シダと、好きな花を2〜3種類選んで編み始めましょう」と言う合図で、バスケットを手に花選びが始まりました。いい香りのラベンダー、チューブローズ、アジサイ、ブーゲンビレア、レフアなど、これだけの種類の花を日本でのレッスンで集めるのはやはり困難なだけあって、目移りしてしまいます。ラウアエやパラパライなど様々な形のシダが数種類あり、どれにするか迷ってしましました。参加者の中から「花選びの色合いで注意することはありますか?」との質問に、マリーさんの答えは、「どんな色の花でも好きなものを好きなように、楽しんで編めば良いのよ。“こうでなければいけない”というルールは無いのだから、自由に選んでください」。あまり形や完璧さにとらわれずに、喜びを持って編むことが大切なようです。UMAHANAさんもおっしゃっていましたが、レイを編むときには花に感謝して、途中でやめずに最後まで編みきらなくてはならないそうです。というのも、レイのために摘まれた花を無駄にすることを避けるため。そしていただいたレイは、決してすぐにゴミに捨ててしまわずに、香りや色を楽しんだ後は枯れるまで部屋に飾り、自然に還すのが礼儀です。香りのよいラベンダーやチューブローズは、体温によって温められてさらによい香りを放ち、身に着けているとなんとも幸せな気持ちでいっぱいになります。すぐ枯れてしまってどこかもったいないような気にさえなってしまいますが、一番美しい瞬間を楽しめるのは最高の贅沢です。

もくもくと作業を続けます
UMAHANAさん&マリーさん

 デッキでは、立って作業をするのにちょうど良いテーブルと、座って作業をすることができるテーブルがあり、それぞれ好きな方を選んで場所を確保。マリーさんとローエンさん、そして同じく農園で働く方が丁寧に一人一人指導してくださり、感動しました。今まで疑問に思っていたレイ・メイキングの手法や、多くのレイを短時間で編むコツなどを伝授していただきました。参加者の中には、フラを習われている方も多く、「自分で作ったレイを身に着けたくて、UMAHANA先生のワークショップに参加しました」という方もいらっしゃいました。日本で行われるフラの大会では、ハワイから輸入したレイを使う場合もあるようですが、UMAHANAさんがこだわっているのは、あくまでも日本で育った花を使って日本人が編むレイです。大会などで多くのレイの注文が来ても、輸入のレイに頼らず、一つ一つご自身で大切に編んでいるそうです。マリーさんも、「もう随分昔のことですが、日本を訪れたときに沢山の美しい花を見たのを覚えています。私がいつも言っているのは、その土地の花を使ってレイを編みなさい、ということです。メインランドや外国でワークショップをする機会があっても、わざわざハワイから花を持っては行きません。だって、その土地には、そこで生まれた花があるからです。皆さんの周りに咲いている花を使わないと、もったいない!日本のフラ・ダンサーの皆さんも、ぜひ日本の花に身を包んで踊って欲しいですね」とおっしゃっていました。お手伝いをしてくださったマリアさんも、「私もフラを踊るけど、必ず自分で作ったレイやハクを身に着けるのよ」とのこと。レイというと、プルメリアやブーゲンビレアなど南国の花を使わないと作れないものと思ってしまいますが、私達の身の回りに咲いている見過ごしがちな小さな花でも、こうやってレイにして楽しむことができるなんて新しい発見です。先程、農園を散策したときに見せていただいた桜が満開になれば、ピンク色のレイを作ることができるということです。

できあがったハク・レイを身に着ける皆さん

 おしゃべりを楽しみながら作業を進めていくと、霧のような雨が降ってきました。ハワイ滞在中まだ虹を見ることができなかったので「虹が出るといいねぇ」と言いながら、もくもくと編んで行きます。さすがに、日本でワークショップに参加されているだけあって皆さんお上手で、マリーさんとローエンさんも褒めてくださいました。疲れてきたところで、ローエンさんがご用意してくださったクッキーと、農園でとれたリリコイ、オレンジ、レモンとハチミツを混ぜた自家製ジュースをいただいてリフレッシュ。暖かいおもてなしに感謝でした。

アジサイも使ったローエンさんのヴィリ・レイ
ローエンさんの作品。使う花や色によって印象も変わります

 編みあがった作品を見てみると、皆さんそれぞれ全く違った花の組み合わせで、どれもその方の雰囲気に合った色合いだったので、びっくり!「こんなに沢山のお花に囲まれて、マリーさんと一緒に時間を過ごすことができて、すごく幸せでした」と参加者の方も、感動されていました。マリーさんも、「とっても素敵な色合いね!すごくキュート!」と、皆さんの作品を見て喜んでくださいました。出来上がったレイを身に着けて記念撮影をしたり、マリーさんがデザインしたTシャツや本にサインをしていただいたり、楽しい時間を過ごすことができました。また、ファーム・ツアーに来ていた別のお客さんも、皆さんが作ったレイを見てとても感動されていました。

 ファーマーズ・マーケットでは、ローエンさん手作りのラベンダーの石鹸、ピカケの香りのボディ・スプレーやハワイアン・ソルト、ククイ・ナッツ、ラベンダーやいろいろなスパイスをブレンドした調味料などのお土産も販売されています。記念にと購入したこのハワイアン・ソルト、日本に帰ってきてお豆腐にかけていただいたらとっても美味しかったですよ!

 楽しい時間はあっという間に過ぎ、お別れに何度もアロハとマハロ(ありがとう)と挨拶して、農園を後にしました。使い切らなかった花は無駄にしないようにと全てお土産に持たせてくださったので、翌日宿泊先のコンドミニアムのラナイで、UMAHANAさんに教えていただいて、不器用な私も生まれて初めてヴィリ・レイを作ることができました。出来上がったレイを見ると、農園での優しいマリーさんの笑顔を思い出し、このままずっとハワイにいたいなぁ〜と思ってしまいました。レイは日本に持ち帰ることもできますが、私はコンドミニアムのフロントの方にプレゼントして、ハワイ島を後にしました。レイをもらうと誰もが笑顔になります。作った人の心と、受け取る人の心が重なり合って、アロハが生まれるからでしょうか。

アンスリウム農園では様々な種類のアンスリウムを見せていただきました

 今回の旅行では、マリーさんの農園のほかにも、ヒロにある日系人の方が経営されいる大きなアンスリウム農園を訪れ、アンスリウムの栽培から出荷までの行程を見学したり、ハワイ州最長の川、ワイルク・リバーが流れる公園を散歩したり、移動中の休憩先の駐車場でもいろいろな植物を見てハワイの自然を感じることができました。旅を通して出会った皆さんの暖かいアロハの心に触れ、ますますハワイが好きになってしまいました。12月初めにUMAHANAさんの新しいアトリエが東京都内にオープンしましたので、ぜひワークショップに参加してみてくださいね!

UMAHANA五反田アトリエ
東京都品川区西五反田2-25-6
セブンスターマンション第10五反田1階
http://www.umahana.com/

ローエンさん手作りの「ラベンダー・ラバーズ・サバイバル・キット」をアロハカワラ版会員の方へお土産に買ってきました。抽選で2名様に差し上げます。
応募はこちらから

(掲載日:2007年12月20日)


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