ハワイの自然、文化、歴史がテーマのアロハWEBカワラ版
目次
【バックナンバー】
特集:知る・歩く・感じる
キルト・パラダイス
ハワイ日和
ミノリのカウアイ日記
アロハ・ブックシェルフ
ハワイ・ネットワーク
新定番!ハワイのおみやげ
スタッフルーム
アロハ・ピープル
フラ・ミュージアム通信
【ホクレア号】
ホクレア号横浜到着
ホクレア号での航海生活
ハワイの食卓
スタッフのいちおしハワイ
ハレピカケ倶楽部
アロハ・コラム
パワー・オブ・ハワイ
私のフラ体験
ハワイ日系移民の歴史
アストン・ストーリー
>アイランド・クローズアップ
ハワイ島編
マウイ島編
ホロホロ.ハワイ
カワラ版 トップページ
バックナンバー
クリック!
 
RSS1.0
ハワイ島日和

映画館を訪ねよう!

NOPU

 来月、ハワイ島を舞台にした映画「ホノカア・ボーイ」が封切られます。私も昨年10月にホノカアで撮影しているところをみかけましたが、ホノカアを中心としたハワイ島でロケーションを行ったそうです。以前に、ハワイ島日和でも原作の「ホノカア・ボーイ」をご紹介しましたが、映画は原作とストーリーが少し違うよう。どんな映画になっているのでしょうね。

ホノカア・ピープルズ・シアター
西部劇に出てきそうなホノム・シアター

 「ホノカア・ボーイ」の舞台は、ホノカアにある小さな映画館、ホノカア・ピープルズ・シアターです。ホノカア・ピープルズ・シアターのような映画館は、テレビが普及する前は、町の娯楽や社交の中心であったことでしょう。このような映画館は、ハワイのあちらこちらに残っています。その多くが、さとうきび産業が栄えた1930年ごろに作られたもののようです。ホノカア・ピープルズ・シアターも、1930年に建てられました。ホノカア・ピープルズ・シアターの素晴らしいところは、今でも営業している映画館であるということ。ハワイのかつては賑わったであろう小さな映画館は、今では閉鎖され、あるいは取り壊されてしまったものが多いようです。オアフ島のノースショアにあった、有名なハレイワ・シアターも、今はもうありません。ホノカア・ピープルズ・シアターも、一時期閉鎖されていましたが、ハマクア・ミュージック・フェスティバルを開催するなど、再び地域のランド・マークとしての存在になっているようです。

 さて「ホノカア・ボーイ」の本の中でも語られるように、ホノカア・ピープルズ・シアターは、日系のタニモト氏がハワイ島に建てた映画館の一つです。タニモト氏は、他にもハワイ島に映画館を建てたそう。そんな話を聞くと、他の映画館にも行ってみたくなります。そこでハワイ島にある、古い映画館を訪ねてみました。
まずは、ホノカアと同じ、ハマクア・コーストにある街、ホノムにあるホノム・シアターへ。ホノムは、ハワイ島で一番大きな滝、アカカ滝へ向かう道の途中にある小さな街です。ハイウエイからアカカ滝へと向かう道は、気をつけていないと曲がり損ねてしまうほど何気ない道です。ホノムも、気をつけていないと通り過ぎてしまうほど、小さな街。ホノカアより更に短いメイン・ストリート沿いにある、ホノム・シアターには、映画館が建てられた1931年という年号とともに「H TANIMOTO & SONS」と名前が入っています。この映画館もタニモト氏が建てた映画館の一つなのです。残念ながら、ホノム・シアターは既に閉館されています。ホノムの街は、西部劇に出てきそうな雰囲気。ホノム・シアターの前に、スクリーンから抜け出て来たガンマンが立っていても、不思議ではない感じがします。

ピンクの壁が可愛らしいアロハ・シアター
廃墟となったコナ・シアター

 ホノム・シアターは閉館してしまいましたが、コナの南にあるカイナリウという小さな街に、やはりタニモト氏が建てた映画館、アロハ・シアターが残っています。アロハ・シアターは、今では併設するカフェのほうが、観光客にはよく知られているかもしれません。景色のいいテラスを持つカフェは、昼食を兼ねた休憩をするのにもいいところです。映画館は1932年に建てられ、当時はたくさんの観客で賑わったそうです。日本の映画が上映されることも多かったよう。ピンクの壁面の外観がかわいらしいこの映画館は、昔はタニモト・シアターと呼ばれていたようです。当時は大変人気のある映画館で、映画の宣伝に太鼓を鳴らして触れ回っていたそうです。アロハ・シアターは、今では映画を上映するほか、地元の劇団の常設舞台にもなっています。このアロハ・シアターのライバルであった、コナ・シアターが、少し南にあるのですが、そちらは既に閉鎖されており、現在は廃墟のような状態になっていました。
 

小さな街で目立つナアレフ・シアター


 ハワイではどんな小さな街にも、映画館はあったようです。ハワイ島の一番南にある街、ナアレフにも映画館がありました。ナアレフの街に向かってドライブして来ると、大きなカメの絵が見えてきます。このカメの描かれた屋根を持つ、赤と黄色の縞々に塗られた映画館がナアレフ・シアターです。さとうきび産業の栄えた1940年に、製糖会社によって作られたそう。映画館が閉館した後は、ミュージアムとして開館していると聞いて2回ほど訪ねてみたのですが、建物は閉じられたままでした。ハワイにある古い建物のほとんどがそうなのかもしれませんが、傷みがひどく、街のコミュニティなどが活用しようとしても、修繕に多額の費用がかかって、結局は諦めてしまうことが多いようです。ナアレフ・シアターも、雨漏りがひどいという話を聞いたことがあります。

アール・デコなビル、クレス・シネマズ
夜のパレス・シアター

 閉鎖されていく映画館も多い中、ヒロのダウンタウンにある2つの映画館は、現在も活躍中。クレス・シネマズはアール・デコな外装がお洒落な映画館です。かつて、デパートであったクレス・ビルを改装してクレス・シネマズはオープンしました。なんと1ドル(週末は1.5ドル)で映画を見ることができるそう。ダウンタウンにある、もう一つの映画館、パレス・シアターも健在。1925年に建造された歴史のある映画館は、一度、閉館しましたが、現在は映画の上映や様々なイベントを行っているよう。ダウンタウンの夜に、ひっそりとパレス・シアターのネオンが輝いている様子は、まさにノスタルジック・ヒロ、タイム・トリップしたような気分になります。

 ハワイにある小さな映画館は、老朽化もあって存続が難しいようです。日系人が建造した映画館も多く、多くの人たちが、かつて楽しんだ場所を見に行くと、感慨深いものがあります。ドライブの途中、映画館をみつけたら、寄り道してみるのもいいものです。


個人情報保護の方針 クッキーの利用について
Copyright (C) 2002-2003 PACIFIC RESORTS.INC., All rights reserved.