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ハワイ島日和

ハワイ島で植物を探そう・その5

NOPU

 今年の日本の冬は長かったですね。春は、まだか、まだか、と待っていましたが、ようやく、お花見のシーズンとなりました。ハワイ島では、毎年2月にワイメアで桜祭りが行われます。日本人の感覚では、だいぶ早いお花見な感じがしますが、ワイメアの桜は、日本でも早春に咲くカンヒザクラ、ソメイヨシノよりも小さめで、濃いピンクの花です。春は、桜に限らず、様々な花を楽しめる季節。桜のように艶やかに咲くものばかりではなく、道端にひっそり咲く花もありますが、そんな小さな花をみつけると、なんだか温かい気持ちになりますね。今月のハワイ島日和は、ハワイの様々な花についてご紹介します。

ククイの花
ククイの花
ククイ

 ククイの花を見たことがない方でも、ククイの実を加工して作ったレイは見たことがあるのではないでしょうか。ハワイのお土産屋さんなどで、よく売られているククイのレイは、黒や茶色の塗装がしてあるものがほとんどです。これは、実の中にある種の部分で、例えばクルミの殻をイメージされると分かりやすいかと思います。ククイはハワイ州の木で、モロカイ島のレイの花にもなっている、ハワイでも代表的な植物です。それは、ククイが昔のハワイアンの暮らしに、深く関わってきたからかもしれません。ククイは、英語で「キャンドル・ナッツ」と呼ばれていますが、それはククイの実が、そのままロウソクのように燃えるほど、油分が高いことを表しています。ハワイアンは、種子から取った油を燃料にする他、薬や染料など様々な用途にククイを使ってきました。現在も、ククイの油を使ったスキンオイルや、炒ったククイの実を塩と混ぜたイナモナという調味料をハワイのスーパーなどで買うことができます。

ヒロ、ダウンタウンにあるククイの木
ヒロ、ダウンタウンにあるククイの木
 展望台などからハワイの森を見下ろしていると、風に吹かれて銀色に光るククイの木々を見つけることがあります。ククイはハワイの固有植物ではありませんが、ハワイの森の一部となっているようです。大木になるククイの木ですが、花は小さい白い花が密集して咲きます。可憐な花ですが、派手な花ではないなので、見過ごしてしまう人も多いかもしれませんね。森だけでなく、街中でもククイを見かけます。例えば、ヒロ、ダウンタウンの海に面した通りの街路樹にも、ククイの木を見つけました。ヒロに行かれる方は、探してみてくださいね。

マウイ島、ハレアカラのイリアヒ
マウイ島、ハレアカラのイリアヒ
イリアヒ

 イリアヒの花は、とても小さく、地味な印象をぬぐえません。ところが、このイリアヒがハワイに大きな影響を与えたことがあります。イリアヒは、和名はビャクダン。日本でも古くからお香として使われてきた植物と同じ種類です。ビャクダンは昔からその木が持つ香りのために、金や宝石と同じほどの価値を持っていたといいます。ハワイの島々に西洋人がやって来た頃、彼らはハワイの王たちにビャクダン貿易を持ちかけました。それは、ビャクダンの価値を知らなかったハワイの人たちにとって、かなり不利な内容だったようですが、それでもイリアヒの代わりに西洋のいろいろな物が手に入った王たちは、ハワイじゅうのイリアヒを切り出しました。そのためにハワイの人々は過酷な労働を強いられ、さらには誰もタロ畑を耕さなかったために、深刻な食糧不足までおきてしまいました。イリアヒは、乱獲によって絶滅寸前まで減ってしまいましたが、イリアヒがもたらした事態を憂いた首長が、残ったイリアヒも全部抜いてしまった、という話もあります。

ハワイ島、ボルケーノ近くのイリアヒ
ハワイ島、ボルケーノ近くのイリアヒ
 そんなイリアヒですが、現在もボルケーノやその周辺のトレイルでも、しばしばみかけます。始めに書いたように、イリアヒはどちらかというと目立たない花です。でも、イリアヒのほとんどは低木で、花が人の目の高さに咲いていることが多いからか、歩いていて、ふと、目を向けるとそこにイリアヒの花が、などということが、よくあります。イリアヒの花自体は、香るというほどではありませんが、小さな花にミツバチが集まっているのを、目にします。

ヒロに到着
ママネのミツを吸うイイヴィ
ママネ

 今回ご紹介した花の中では、黄色い花を咲かせるママネが一番派手な花かも。そう言ってもほんの2,3cmしかないママネの花は、派手というよりかわいい花です。ママネはハワイ固有の植物、10m以上の大木になることもあり、花が満開に咲いているところは、なかなか見事です。ママネの木は堅いので、昔のハワイアンは農耕具などにしたそうです。

ママネの花
ママネの花
 ママネは標高の高い場所に生育する植物なので、ハワイ島でもボルケーノ周辺やサドルロード近辺で見ることができます。私がママネの花に注目するのは、この花にはよくハワイミツスイたちが来るからです。オヒア・レフアのミツを吸いに、ハワイミツスイが集まることが知られていますが、ママネにもハワイミツスイはやってきます。満開のママネの木をみつけたら、それはバードウォッチに最適なポイントです。鳥たちを観察していると、ママネの花はアパパネよりも、イイヴィに人気があるようです。イイヴィのくちばしはアパパネよりも湾曲していて、ママネの花のミツを吸いやすいのかもしれませんね。ママネは、マメ科の植物なので、サヤに入った実をつけます。硬いエンドウマメのようなこの実は、ハワイ島固有の鳥、パリラの大好物。パリラのくちばしは、ママネのサヤを開け、実を食べるように進化しました。ママネは野生のヤギなどの食害にあっており、パリラの生息数もかなり少ないのが現状です。ママネの花の季節は春。ハワイでママネをみつけたら、鳥が来ないか、ちょっと待ってみてくださいね。

アストン・ワイコロア・コロニー・ヴィラ

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