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椰子の木

ミノリ・K・エバンズ

これが各家庭に投げ込まれセール情報「Island Shoppers」
 庭に椰子の木を植えたいな〜と、ず〜っと思っていた。そういうこともあって、ときどき、どこかに行く道すがらにNursery(ナーサリー)があれば、ふらっと立ち寄ってみたりしていたものだ。Nurseryというのは、園芸店とでも言えばいいのだろうか、植物の苗や、苗から育てた木々を売っているところで、カウアイには大小とりまぜて数多くのNurseryがある。一番大きいのは、Lihue(リフエ)という町にある「Kauai Nursery」で、ここにいけば、ちょっとした植物園よりも、ハワイで育つ、さまざまな樹木を見ることができる。ほかにも、中規模、小規模、なかには椰子だけを扱ってるところもあれば、花も含めて多種を扱っているところもある。価格もさまざまで、いろいろと見て歩いたり、友人・知人からの話しで、どこのNurseryの何が安いとか、これを買うならここがいいとか、だんだんと情報が集まってくる。カウアイの住人たちは、(以前にも書いたかもしれないけれど)何でも自分たちでする人が多い。庭仕事もそのひとつで、フェンスを作るのも、庭木を植えるのも、犬小屋を作るのも、芝生作りも、もちろん庭の手入れも、自分たちでやる人が多い。我が家の近所も例にもれずで、仕事が休みの土曜日・日曜日になれば、近所から、トンカチをとんとんやる音、木を切るチェーンソーの音、芝刈りの音、ペンキを塗りかえる姿、植物を植える姿、畑の手入れをする姿、いろいろな作業を見ることになる。それは年中といってもいいくらい、果てしなくどこまでも続く作業のようで、「ここで終わり」ということはない。みんな、ほんとうに自分たちの家や庭をいじるのが好きで、ここが終わればあそこ、あそこが終われば次はここ、という具合にどこまでも作業は続く。余談になるけれど、昨年、日本でいう日曜大工センターにあたる「HomeDepot」(ホーム・ディポ)というお店がオープンした。アメリカでは名の知れたこのチェーン店であるが、カウアイにオープンしたお店のガーデニング・コーナーは、ハワイで一番の規模を誇るという。そういうところからも、カウアイの人がどれくらい庭いじりが好きかがうかがえるというものだ。


近所を歩くだけでもいろいろな椰子の木が楽しめる
 そんなようなわけで、我が家も自分たちの庭をきれいにしてみたいなぁと、それが当たり前のようには思っていたものの、なかなか我が家の住人(私とダンナさんです)は遊びが好きで、なまけ者。天気の良い日曜日は、山積みになった作業を横目に、ビーチへすっ飛んでいってしまう。だから、お家が建って1年と4ヶ月ほどが経ついまになって、やっと芝生が完成し、ドライブ・ウエイができて、ほんとうに最近になって「やっとまともに、家らしく見えてきた」ところかもしれない。週に一度「Island Shopper」(アイランド・ショッパー)といって、各スーパーからのセール品情報が満載された広告チラシがひとつの袋に入れられて、各家庭に無料で配布されるのだけれど、それを配ってもらえたためしがなかった。オレンジ色のビニール袋に入って、ぽんっと配達人が庭に放り投げていってくれるそれは、主婦には欠かせないお買い得情報が満載なのである。「あのぉ、我が家にも配ってほしいんですが…」と最初は遠慮がちに、そして「配ってくださいってば!」とだんだん強い調子で、それを配達している新聞社にお願いしてみたものの、数度にわたる依頼にも応えてもらえた試しがなかった。ところが、芝生が完成して土がむき出しだった庭が青々とし、コンクリートのドライブ・ウエイが完成し、トモダチやご近所さんから「庭らしくなってきたじゃない」と言われ始めたのと同時に、「Island Shopper」が我が家に投げ込まれるようになった。「やっと家と認めてもらえた」と、ダンナさんと二人で苦笑いしたものだ。


成長中のバナナの木

ここも近いうちにシダで埋め尽くされる(予定)
 で、椰子の木なのだけれど。いろいろと見てまわった結果、ある程度、成長した椰子の木を手に入れようとするとお金がかかる。でも、椰子の木がほしいなぁと思っていたところへ、朗報が入った。Warrenが壁を塗った(彼の仕事は左官屋さんです)先のお家が、椰子の木をたくさん育てていて、好きな種類の椰子の木をあげると言ってくれたのだ。ではお言葉に甘えて、と見に行ってみると、広大な敷地の中にほんとうに数々の樹木が茂っていて、庭というより、森の中という感じだ。椰子の木もたくさんある。あれやこれやとオーナーのジョンと話しをして、最終的に、6本の椰子の木の子供と、たくさんのティー・リーフ、そして羊歯をもらってきた。この間、羊歯を、Warrenと私と、そして新しく我が家にやってきたシオリちゃんと3人で植え終わったところだ。いまはまだぽつんぽつんと間があいて、なんだか変な野菜畑のように見えるが、近いうちにドライブ・ウエイ沿いは羊歯がびっしりと生えていい感じになるはず。我が家の庭では、以前に私が作った小さな花壇の木々も元気だし、Warrenが植えた数本のバナナの木も元気に成長中だ。そして私は、椰子の木とティー・リーフをどんな配置で植えていくかを検討しているところ。プロの職人さんに頼めば、短期間でぴしっと美しい庭ができあがるかもしれないけれど、ご近所の各家庭の作品を見ていると、やはり自分たちの庭は自分たちで造る方が、そこに住んでいる住人の顔が見られて楽しいものである。そして、土をいじるのは楽しい作業でもある。私たちの予定では、今後、我が家の庭はどんどん、格好良くなっていく予定なのだ。

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