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ピースフル・ウエディング

ミノリ・K・エバンズ
庭からの心地よい風景を背にした、手作りウエディング

 満月を楽しんだばかりの昨日、カウアイはサラっとカラっと晴れ上がって、周囲の山々も青々とほんとうに美しい一日だった。午後一番、クム・フラのプナがピックアップに来てくれて、私たちはフラシスターのひとり、ジェニファーのウエディング・セレモニーへと出かけてきた。プナは、結婚証明を発行できる資格を持っているので(すみません、そういう人をなんというのか、呼称を知りません)、今日は結婚の見届け人として呼ばれているよう。私は彼女のお手伝いを兼ねて、フラシスターのウエディングのお祝いに向かった。ウエディング・セレモニーの場所は、彼女が家族と暮らす自宅の庭。我が家から車で10分ほどのところなのだけれど、小高い丘の上に建っていて、ワイルアの美しい風景が望めるステキな立地にある。

誓いの言葉を交わすうしろで揺れるのは、プルメリアのカーテン

 到着してみると、セレモニーの準備はすっかり整って、プナ待ち状態である。急いでセレモニー用のパレオ姿に着替えるプナの傍らで、彼女が用意してきた聖水をコアウッドのボウルに入れ、カラアウをラウハラの箱(ハラの木の葉でつくった箱)に入れる。カラアウというのはグアバのような堅い木から作られるスティックで、同じ長さの2本の棒が1セットになっている。フラの道具のひとつなので、フラをやっている人には馴染みのあるものだと思う。同じ長さの棒が2本で1セットになっていると書いたが、これを交差させるとちょうど十字の形ができ、フラの考え方では「バランス」の取れた状態を表すことになるそうだ。「バランス」が取れた状態とは、つまり平和や、人々の心身の均整、そして自然との調和などいろいろな意味を含むと教えてもらった。だから、このカラアウを持って古典フラを踊る時は、そういった自分自身や、自然と人間、世界の平和など、さまざまな事柄において「バランス」が取れていることを願い祈りながら、2本の棒を交差して打ち、音を慣らしながら踊る。そして今日のセレモニーにこのカラアウを用意してきたのは、拍手の代わりに集まってくれた人々に、新郎新婦のこれからのシアワセを願って、このカラアウで音を鳴らしてもらおうという、プナのアイデアであった。

緑と花と風、カウアイの空気に包まれた中での誓いの言葉

 花嫁部屋に入っていくと、純白のウエディングドレス姿のジェニファー、そして彼女のお姉さんで、私たちのフラ・シスターでもあるジェシカたちが式の始まりを待っていた。花嫁さんになる、自分が出会ったパートナーとみんなの前で誓いを立てるという高揚が心身を包んでいるようで、いつも可愛らしいジェニファーが、この日はますます可愛らしく、美しい。「おめでとう」のハグをして、私は外へ出て、参列者に、「拍手の代わりに、バブル(シャボン玉)の代わりに、これを鳴らしてね」と言いながら、カラアウのスティックを配ってまわる。ほんとうによく晴れた日で、セレモニーのステージとなる大きな木の周りに座った参列者たちにも、サンサンと陽が射している。陽射しが強すぎる人は、主催者側が用意した日除けの傘を差していたのだけれど、これが日本でいう番傘で、カウアイの景色の中に、やけに東洋チックな花が咲いているようで、それが私にはおもしろかった。

 シンプルで、手作り感に溢れた式は滞りなく進行して、最後にプナからカラアウの説明があり、参列者はみんな、この日新しく夫婦となった2人のシアワセを願って、「チャカチャカチャカ」とカラアウを鳴らした。よく晴れた小高い丘にある家の庭で、みんなが鳴らすカラアウの音が心地よく空気に溶けて、友人たちが作ったプルメリアの花のカーテンが木の下で風に揺れて、ほんとうに可愛らしいセレモニーであった。

ドリンクにもたくさんの花のエッセンス

 セレモニーのあとは、簡単な飲み物とPUPUS(おつまみ料理)がテント下のテーブルに用意されて、それらを楽しみながら少し時間を過ごしたのだが、これらがほんとうに美味しくて、小腹が空いていた私はせっせと飲んで食べ、帰る頃には満腹を越して、食べ過ぎ状態になっていたのである。それも仕方のない話で、今日、結婚式を挙げたジェニファー、そしてお姉さんのジェシカたちは、カパアの町で人気の高いオーガニック・レストラン「ブロッサミング・ロータス」のメイン・スタッフである。この日のキッチンはもちろん、裏方仕事は「ブロッサミング・ロータス」のスタッフが総出で受け持っていたようである。中でも、ウォーターメロン(すいか)&ローズのドリンクは、暑い中でノドを潤すのにぴったり。ほんのりと果物の甘さがあり、ローズの香りがして、半シャーベット状になっていて、いやはや何杯くらいいただいてしまったのだろうか....という感じであった。

 夜は、場所を変えて「ブロッサミング・ロータス」でのレセプション・パーティ。これにはウォーレン(ダンナさんです)も来て、日本から戻ってきたばかりの私は、一ヶ月ぶりに会うフラ・ファミリーたちとの再会を楽しみながら、これまた美味しい美味しい料理を満喫した。日本で行われる披露宴と違って、「みんな、思い思いに楽しんでねぇ〜」という雰囲気の中で、たくさんの人が訪れては音楽や踊りを楽しみ、食事を楽しんで戻っていく。私たちは室外のテーブルにいたのけれど、集合がかかって、レストランの一角にあるステージ際で、新婦のジェニファーと一緒にフラシスターみんなで、2曲ほどフラを踊った。それからしばらくして、気づくと、いつの間にかレストラン内のテーブルや椅子はすっかり取り払われて「クラブ」状態になり、みんな音楽に合わせて踊りまくっている様子であった。いつまでも続きそうな喧噪を背に、私たちは家路に着いた。満月を迎えて直後の夜空はまだまだ明るく澄みきって、ほんとうに美しく心地の良い家路であったのである。


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