イベント・シーズンで賑やかだったカウアイも、昨日（10月14日）、コケエの山頂で開催されたフラの祭典「エマラニフェスティバル」を最後に、ようやく終了。普段のカウアイに戻ったところである。たしか、昨年は「エマラニフェスティバル」についてのレポートをお届けしたように思うのだけれど、それからもう一年が経つのかと思うと、時間の過ぎる速さにビックリしてしまう。暑い陽射しの中で踊った昨年の「エマラニフェスティバル」とは真逆に、今年は大雨。激しく降り続ける雨の中、びしょ濡れになって踊って、寒くて長い一日が終わった。イベント・シーズン中は何かとバタバタと過ごしていたこともあって、「エマラニフェスティバル」の翌日（本日）からオアフへ行って、ホロホロしようと思っていたものの、地震のために空港で数時間待機した結果、延期することにした。あとで事情を知ると、カウアイ島をのぞく、他島の空港が一時、全閉鎖となっていた。震源地はビッグアイランドとマウイ島の間だとラジオからの情報。このレポートを書いている今も、オアフ島の友人宅ではまだ電気はとまったままとのこと。早急に復興することを願うばかりである。

DELI and BAKERYの店内。忙しい時間を外して出かけるのがオススメ

　空港で旅程延期の手続きを済ませてウォーレンとランチをとりに、カフェに出かけた。そこで友人と偶然会って、長い長いランチ・タイムをとった。先日お届けした「カラヘオ・コーヒー」でランチをとった。エアコンのがんがんに効いた寒い空港で数時間を過ごしたあとの暖かいコーヒーはとても美味しく、心身に温かかった。普段、ランチというと出かける先は、だいたい2つか3つと場所が決まっている。朝食はほぼフルーツだけというのが習慣の私は、「早め」の時間に「軽く」ランチをとる。一番よく利用するのが、「DELI and BAKERY」。リフエの町にある「ククイ・グローブ・ショッピング・センター」の一画にあるサンドイッチとスープのお店だ。ロコにはとても人気のあるお店で、お昼時となると店内は満席、レジの前には列ができる。サンドイッチのメニューが豊富で、使用するパンも数種類の中から選べるのが嬉しい。私のお気に入りは「チキン・ラザニア」と「本日のスープ」。スープは３種類で、ガーデン・ベジタブル・スープ、ポチギー・ビーンズ・スープ、クラムチャウダー。曜日によって、この組み合わせの中から一種類が、その日のスペシャル・スープと入れ替わる。スープは3つのサイズから選べて、それに焼きたてのパンがついてくる。この「DELI and BAKERY」がしばらくの間、改装のために休業となっていたのだけれど、先日、やっと改装が終わって再開した。「どんな風になったのかなぁ」と、少し楽しみにしながら店内に入ってみると、取り立ててどこが変わった風でもなく、むきだしの木肌だった壁が新しく塗り替えられている程度だった。がっかりはしなかったけれど、わりと長い休業だったので、そのたいして変わらない様に軽く驚いたしだい。もしかしたら、キッチンとかの設備をいじっていたのかもしれない。

外での食事も気持ちいい

　「DELI and BAKERY」の人気の秘密は、サンドイッチの種類が豊富なこと、そしてどのメニューも美味しいこと。それから店内がこじんまりと心地よく、清潔なことなんじゃないかと私は分析している（と、たいそうに言うほどのことでもないのですが）。都会ならば、田舎くささの色濃く漂うこのお店も、カウアイにおいては少しだけ都会っぽい雰囲気であるのかもしれないとも思う。価格も手頃で、加えて「デザート」が美味しい。中でも「チョコレートムース」はオススメ。これを食べたいがために、ボリュームのあるサンドイッチではなく、スープを選んでいる...という節もある。

謎が深まるチョコレートムース

焼きたてのパンを買いに来る人も多い

　レジに並んで、「本日のスープ」と「チョコレートムース」を注文する。お金を払う時に、「ムースはあとで冷蔵庫から取ってくれていいわよ」とスタッフが言ってくれる。スタッフがそう言ってくれない時は、「ムースはあとで冷蔵庫から取っていい？」と確認する。すると、あっさりと「うん、いいよ」と言ってくれる。このシステムが私にとっては謎である。テーブルで注文したランチをとる。一人で行くことはまずないので、友人とぺちゃくちゃとおしゃべりをしながら、ゆっくりランチをすることが多い。20分も30分も経ってから、私はレジ前の冷蔵庫の中から「チョコレートムース」をとる。さてこの時、私の行動に注目しているスタッフは誰もいない。みんな、忙しく働いている。最初の頃、なんだか「チョコレートムース」を盗む人に見えるのではないかと、ちょっとビクビクしながら冷蔵庫からブツを取り出していた。今は慣れてビクビクはしないけれど、毎度、毎度、「どうやってここのスタッフは、これを管理しているんだろう」という疑問がモンモンと渦巻く気持ちで、「チョコレートムース」を取り出している。この島に移住して、4年と半年。ずっとこの謎にモンモンとしている私なのである。先日、いつもと同じように「チョコレートムース」を注文した。だけれどこの日、冷蔵庫の中に残っていた「チョコレートムース」はたったひとつ。ラスト・ワンである。私はとても気になった。こうして「チョコレートムース」を注文して、お金も払って、すっかり「チョコレートムース」を食べる気分になっているのに、いざ食べる段階になって、それがなかったら、とてもさみしい。そこで、「あとひとつしか残っていないんだけれど、あとで取りにきても大丈夫だよね？」とレジ係の女の子に聞いてみたところ、「あとひとつなの？　じゃぁ、テーブルに持っていっておいた方がいいわ。なくなるかもしれないから」という返事。どうやって、この店の人は「チョコレートムース」の代金を払ったか否かを管理しているのだろう...謎はますます深まるばかりなのである。

　ともかく、そんな謎めいた部分を持ちつつも、「DELI and BAKERY」は美味しい。「チョコレートムース」も美味しい。「ククイ・グローブ・ショッピング・センター」に寄る機会があれば、ぜひお試しください。いつか、このシステムの謎が解けた時には、またみなさんにご報告したいと思います（って、いらないですよね）。