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クプナ・ギャザリング

ミノリ・K・エバンス
MCは、クムのプナ・ドーソン

 よく晴れた週末、ハラウ(フラの教室)の主催で「KUPUNA HIGHTEA」(クプナ・ハイ・ティ)というプログラムを催した。このプログラムは今年で2回目。KUPUNA(クプナ)はハワイ語で、祖先とか長老とか年配の人という意味。ハワイの島では、年配の人々を、「KUPUNA」と呼んで、知恵を授けてくれる大事なリーダーとして、とても敬っている。そして「KUPUNA」たちも、若者たちをリードしていく存在として、ドドンと強く大きくかまえている。「KUPUNA」というのは、具体的にどんな人を指すの?と聞かれたら、その答えはなかなかむずかしい。単純に年齢で区切るというわけでもないし、「孫がいるから」ということで「KUPUNA」に入る人もいる(ハワイでは、30代後半、40代前半で孫がいるという例は多い)。以前に誰かが、「クプナ? それはスーパーやいろいろな施設で、高齢者向けの特典を受けられる人だよ」と言っていたけれど、そういう基準もある。ちなみに高齢者向けの特典を受けられるのは、60歳からである。ともかく、心強い島のリーダーである「KUPUNA」さんたちに、感謝と敬意を込めて、思い切り楽しい時間を過ごしてもらおうと、昨年から始めたのが、このプログラムである。

音楽はドリックと仲間たち

 開催場所は、ワイルアにあるホテルのオープンルーム。外からの陽光、風が入ってくる気持ちの良いパーティ・ルームである。“ハワイアン・タイム”とよく言われる通り、こういったプログラムもゆるゆると「その時間あたり」に始まるのが通常だけれど、「KUPUNA」たちは、なぜか、時間にとても正確である。今回は、誰でもみんな、いつかは「KUPUNA」になってゆくのだから、「KUPUNA」さん以外の人でも大歓迎という告知をした。そして、ハワイアン・タイムでゆるゆると集まったのは、若い層。「KUPUNA」たちのほとんどが時間よりも早く来て、席に陣取り、背筋をシャキっと延ばして座り、あとはゆったりとお話タイムで、プログラムの始まりを待っていた。
この日の音楽担当は、私たちのフラ・ファミリーで、カウアイ島のクム・フラ、ドリック(DorikYaris)と仲間たち。MCは、私たちのクム・フラ、プナ・ドーソン。昨年も来てプログラムを大いに盛り上げてくれた、「KUPUNA」の一人、アンティ・イヒのPule(プレ=ハワイ語でお祈り)で、プログラムが始まる。みんなで手をつないで、大きなひとつの輪を作る。「KUPUNA」さんたちと過ごす楽しい時間の始まりである。

音楽がなるとサッと立ち上がって踊るクプナたち

 まずは、「エクササイズ」。“Malama KoKino”(マラマ・コー・キノ)というのは、自分の身体を管理するという意味で、いくつかのフラのステップを繰り返しやることで、体力をキープするエクササイズになるというもの。“HoloholoKaa”(ホロホロ・カー)という曲にあわせて、アミ(腰をサークルにまわすステップ)などのステップを入れていく。クムに言われて、ステージに上がって、お尻をみんなに向けて、クルクルと腰をまわしていた私は途中まで気づかなかったのだけれど、なんだか賑やかな空気を感じて後ろを見ると、「KUPUNA」たちはみんな、“Holoholo Kaa”(ホロホロ・カー)をそれぞれのヴァージョンで好き勝手に踊っている。最初の「エクササイズ」は予想通りにしっかりと空振りして終わった。その後も、いくつかのゲームを考えていたりしたけれど、どれも気持ちよく、いい感じに空振りになる。「KUPUNA」たちに私たちの計画なんて、通じない。「KUPUNA」は「KUPUNA」たちのやり方で、どこでもしっかりと楽しめる、人生の達人ばかりなのである。最後の方で、アンティ・イヒがおなじみのフラをステージで踊ってくれた。このフラは、長く人生を歩いてきた人でしか踊れない、というフラである。まったくステップが入らない。上半身と顔の表情だけで踊るフラ。MAI(マイ=性的な意味あいを多く含むメレ)なので、とてもセクシーな仕草、表情の連続なんだけれど、オモシロおかしく、大げさに演じるので、観ている私たちは、ただ爆笑。身をよじって笑うばかりである。たくさん笑って、今年もまた元気なたくさんの顔に再会できて、心地良い気分の中でプログラムはお開きとなった。

 「KUPUNA」さんの中には、半身が動かない人もいれば、杖や歩行器をついて来てくれる人もいる。それからこの日は、朝からひとつお葬式もあった。そのお葬式帰りに、このプログラムに参加してくれた「KUPUNA」も何人かいた。それでもみんな、ほんとうに気持ちが元気で明るい。そして、強い。「お年寄りだから」と小さくなるのではなくて、「お年寄りだから」こそ、いい感じでデンと偉そうに構えてくれている。お年寄りがデンとかまえている社会はいいなぁと、いつも島の「KUPUNA」に接して思うことである。ハワイの社会は、まだまだ健康なんだなと思う。また、来年のこのプログラムで、みんなに会えるのがとても楽しみである。人生が終わるのに、年配者からという順番はない。若い人だっていろんな理由で人生を終えていく。でも、ほんとうにたくさんの「KUPUNA」たちが毎年、 その人生を終えていっている。「A HUI HOU(またね!)」と言って、アンティたちは手を振って帰っていった。また来年も、みんなの元気な顔と再会できますように。


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