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”ありがとう”な気持ちが湧き上がる、レイ・メイキング

ミノリ・エヴァンス
頭、首、手首と手足につけるレイを色を変えて作ったもの
頭、首、手首と手足につけるレイを色を変えて作ったもの
 ハワイでフラのある暮らしを送っていると、さまざまな場面でレイを作る機会がある。儀式用、ステージ用、カヒコ(古典フラ)用、アウアナ用(モダン・フラ)と、それぞれに作るレイも使う草花も種類が違ってくる。私が身を置いているハラウ(フラの教室)はカヒコが主体なので、とうぜん何かのプログラムやシェアの場では、カヒコを踊る機会が圧倒的に多い。なので、レイを作るのも、カヒコ用が多いということになる。レイには、頭につける「レイポー」、胸元につける「レイ・アイ」、手首と手足につける「クペエ」と、それぞれ呼び方がある。儀式によって、または儀式を行う場所や時間、その背景によって材料に使う葉の種類が違ったり、身につけるレイの数も変わってくるようだ。

3色のティーリーフを交互に編み込んでいったもの
3色のティーリーフを交互に編み込んでいったもの
 この時期、日本でもフラをやっている人たちにとっては、イベント・シーズン真っ盛りという感じらしい。私の日本のフラシスターズたちも、人によっては、随分と忙しい毎日を送っているようである。そういう私もこの週末にはまた、江ノ島と茅ヶ崎で行われるフラのイベントに参加するために、日本に発つ。そのステージ用にレイがいるのだけれど、ハワイからは簡単に植物を外国には持ち込めない。そこで、茅ヶ崎にいるフラシスターの直美ちゃんと、レイ作りの材料をどうするこうすると電話で話をしていた。「花はね、お花屋さんに行けば買えるけれど、カヒコ用の葉は、人数が多いと事前にオーダーをしておかないと調達がムズカシイの」と直美ちゃん。そうなんだ〜と、改めてビックリする私。カウアイでは、葉は山に取りに行くのが当たり前。でも日本でそんなことができるのは、緑に恵まれた田舎に住んでいる、一部の人にしかできない。考えてみれば当たり前のことである。私もカウアイに引っ越してくる前に、日本でフラをしていた時には、そうやって誰かが調達してくれた、あるいはハワイから来るミュージシャンたちが持ってきてくれた花や葉を使ってレイを作っていた。当時は何も考えずに、ただ目の前に広げられた花でレイを作っていたけれど、今になって思えば、そうやって調達してくれている人がいたんだなぁと改めて感謝の気持ちが湧いた。

結婚式用に作ったブーケ(私は横で眺めてただけですが)
結婚式用に作ったブーケ(私は横で眺めてただけですが)
 レイ・メイキングは、作る過程も簡単とは言いにくい時があるけれど(正直、私にはレイ・メイキングに関して、簡単な作業はひとつもありません。泣)、山に入って枝を取って、家に帰ってそれを日陰に広げたり、一枚一枚の葉をきれいに布で拭いたり、他の作業と同様に、レイを作るまでの仕込みに時間と手間がかかる。たとえば、ラウアエの葉を取りに行くのは渓谷沿いに出かけるのだけれど、斜面を降りつつ、中腰でラウアエの葉の中をゴソゴソと移動して、葉をいただく。一番厄介なのは、蚊の猛攻撃に耐えること。それでも、自然の中に分け入って、その恵みをいただくというのは気持ちの良い行為である。自然と、心の中から「感謝」の気持ちが湧いてくる。こうやって材料を集めに山の中に分け入ったり、渓谷沿いの葉の林に分け入ったりするところから、自分の中でフラの儀式は始まっているんだなぁといつも思う。儀式をするにあたって、心身を浄化するのにとてもいい。葉を集めに行けない、行く時間がないメンバーの分も集めるのだけれど、来られないメンバーは気の毒だなと思う。材料集めに森林の中に身を置くのは、とてもアロハな時間なのだから。もちろん、両手に山盛りの葉を持って車に戻った時には、蚊の猛攻撃に遭って、腕などはもちろん、顔もぼっこぼこになっていることはいつものことである。車のミラーに映った自分の顔は、とても「アロハ」にはほど遠いのだけれど、でも気持ちだけはたくさんのアロハで溢れている。あ、アロハに溢れているというのは、曖昧な表現でしょうか。穏やかでいろんなものを手放せる、自分の中がニュートラルな状態になる、そんな感じ。

結婚式用に作ったレイやブーケたち
結婚式用に作ったレイやブーケたち
  こうやって、フラで自分の身につけるレイ・メイキングの作業を、最初から最後まで自分自身の手を通してできるなんて、とても贅沢な暮らしをしているものだなと思う。自然の恵みを身を持って感じて、それに「頭の中で理解」しているのではない、心からの感謝を持てるのはとても恵まれていることなんだろうとも思う。日本でフラをやっていた時の私は、そこまで想像力が働かなかった。その裏で、みんながきれいなレイを作れるように材料を用意してくれる人がいること。きっとそれはレイ・メイキングだけのことではないのだろう。いつも誰かが見えないところで自分のことを助けてくれている。そう、そうやって想像力を働かせてみるだけで、たくさんの人から、自然から、何かからの恩恵を受けて、それぞれの暮らしが成り立っている。そう素直に思えると、気持ちの中がポッと温かくなる。レイを作る葉を編み込みながら、「ありがとう〜」の気持ちを一緒に編み込んで出来上がったのが、写真のレイたちです。

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