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消えた、歴史的ホテル ミノリ・エヴァンス
ハリケーンに備えての買い出しでからっぽになったストアの棚
ハリケーンに備えての買い出しでからっぽになったストアの棚
 カウアイ島にハリケーンが上陸すると言うニュースを聞きながら、これを書いています。みなさんが「カウアイ日記」を読んでくださるのは、約2週間後。その頃には、いま起こっているハリケーン騒ぎもすっかり過ぎ去っていることだと思います。
 2つのハリケーンが続けざまに来る様子がテレビで流れ続けて、町に行けば、水が完売、ガソリンが完売したスタンドもあるそうで、食品も非常食になりそうなアイテムの棚はすっかり空っぽになっています。我が家も「念のため」に、明日の午後に上陸するハリケーンに備えて、明日は朝からバスタブなどに水を溜めたり、窓が割れないようにテープを貼ったりする作業になりそうです。

 7月中は、「フラ・カンファレンス」と言って、4年に一度行われる、フラの大きなイベントがカウアイで開催され、それに参加をして日々が過ぎました。その後はツアー・コーディネートでオアフへ。それらが一段落して何日かが経ち、先週末は、オアフからフラ・ファミリーのハラウが来て、カウアイ島をフアカイ(フラの旅)してまわるのに同行させていただく機会がありました。晴天の下、ワイルア州立公園から出発して、最後は島の北端にある「Ke Ahu O Laka」という、フラの女神ラカが祀られているヘイアウまで、フラにゆかりのある場所を点々とまわりながらの旅でした。その翌日から、レッスンのためにオアフへ行き、カウアイに戻って今日はまた島の北、ハナレイで行われた「Canoe Blessing (カヌー・ブレッシング=出航式)」へ。今年の夏はほんとうにフラの時間で日々が埋まっていっています。

 そして今度はハリケーン。ほんとうに毎日毎日、よくもこんなにいろいろなことがあるものだな〜と思います。単調な暮らしは、どちらかと言うと得意ではない私です。なので、「ふえ〜、毎日が飛ぶように過ぎていく〜」などと言いつつも、少しバタバタ気味に日々を過ごしているのがちょうど良いのかもしれませんが… 。そして最近は、ずっとアウトドアで過ごしているせいで、日焼け度もハンパのない感じになっています。比較的、旅の多い暮らしをしている私ですが、カウアイ島内をこんなにグルグルまわり続けることは久しくなかったので、島の山、海、川をめぐり、あらためて「ほんとうに美しい島だな〜」と思っているところです。

火事の翌日、まだ鎮火しきっていないホテルの前にとまる消防車
火事の翌日、まだ鎮火しきっていないホテルの前にとまる消防車

 そういう暮らしのすぐそばで、悲しい出来事もありました。
 カウアイ島のシンボルのひとつになっている(現在は)ゴースト・ホテル「ココ・パームス・ホテル」が火事になり、メイン・ビルディングが全焼するというアクシデントがありました。1961年の映画「ブルーハワイ」という、エルビス・プレスリー主演の映画の撮影場所になったのをきっかけに、エルビスが定宿にしていたとして知られる、400室の部屋数を誇る、ポリネシアン・スタイルの建造物で有名なホテルです。最近では「パイレーツ・オブ・カリビアン」の撮影がこのホテルの一画にある椰子の木の林で行われました。1982年のイヴァ、1992年のイニキと島がほぼ全滅の被害に遭ったハリケーンで続けざまにダメージを受けて以来、復興しないまま建物だけが朽ちて残っているホテルです。これまでにも大型リゾートホテルへ姿を変えようと、取り壊し計画が何度も何度も進められてきましたが、主にハワイアンの人たちの反対運動でどの計画も通らないまま現在に至っていました。過去に反対を訴えるチャンティング(詠唱)とフラが一日中、島のクム・フラたちによって行われていた光景を私も見たことがあります。

 「ココ・パームス・ホテル」はヘイアウ(聖域)の一画に建てられています。ホテルの背後にある、椰子の木が群生する一帯はハワイアンの人にとっては聖地にあたるところ。復興するのであれば、そこをうまく残す形で。というのがハワイアンの人の願いであり、守ろうとしている区域です。最近になって、大手ホテルチェーンが買い取りを決め、昔のホテルの姿を出来る限り残して復興するということで話がまとまったばかりだと人伝えに聞いたばかり。そこに来て、この火事でメイン・ビルディングの全焼です。

 「聞いた、火事のこと? いま、メイン・ビルディングが全部焼け落ちたって。いまリフエにいるけれど、渋滞で身動きが取れないわ。会う人、会う人が口々に悲しい、悲しいって言ってる」との電話が私のクム・フラ(フラの先生)から入り、「いま出かけない方が良いよ。渋滞で身動きが取れない」とウォーレン(ダンナさんです)からも電話が入りました。
 メインビルディングを全焼し火事は鎮火しました。他の棟は火が移らずに残りましたが、これまで黒い布で覆われていたホテル跡がいまはハイウエイから丸見えの状態になっています。翌日に通ったときにはまだ煙がくすぶっていた状態で、突然丸みえになったホテル跡がとても痛々しく目に写ったものです。

 このホテルからほんの数分北へ行くと、右手側に工事をしている一画があります。ここには、こちらも大手チェーンストアのお店がオープンするそうです。この工事に着手するにあたり、何十本という椰子の木が伐採されたそうです。どの木も100年以上の歴史を持つ、長い間、カウアイの土地を見守ってきた椰子たちです。これに対してもハワイアンの人たちの反対があったと聞いていますが、工事は順調に進んでいるようです。
 古代のままの暮らしが出来るかと言えば、それは無理だと思います。カウアイ島は観光が主な産業のひとつですから、それを活性化する計画も必要だとは思います。アメリカ本土から入ってくる資本をどの程度受け入れるのか、受け入れないのか… 島の在り方が試されているような気がします。

ハリケーンが去り、スーパームーンが輝いた翌日の朝、ワイアレアレの上に白く見える朝のスーパームーン
ハリケーンが去り、スーパームーンが輝いた翌日の朝、ワイアレアレの上に白く見える朝のスーパームーン

 カウアイ島に来られたことがある方は十分にご存知の通り、緑が多く、真っ青な海と青々とした山並みが美しいのがこの島の何ものにも代え難い魅力であり、財産です。いまの子どもたち、これから生まれてくる命たちの世代が「美しい島だ」と胸を張って言えるように、島の持っている素晴らしい自然を残していかなくてはならないんだとほんとうに思います。日本から移住してきた私はよそ者です。けれど、この土地にたくさんの恩恵を受けながら住んでいる島の住人でもあります。私に何が出来るだろう、その問いかけを胸にいつも持ちながら、自分にできることをやっていきたいな〜と思います。(と、口で言うのは簡単ですね、すみません。でもほんとうのことなのです)

 次世代に残すべき美しい自然や文化、残してはいけない風習などはどの国も必ず持っているものだと思います。ハワイで暮らすようになってから、そういうことをよく考えるようになりました。これもカウアイ島での暮らしが私に与えてくれた恩恵であり、宿題です。

 追記ですが(少し前に書いたものに加筆しています)、ハリケーン騒ぎがら一週間が経ち、ビッグアイランドのヒロ区域がダメージを受け、カウアイ島は少し激しめの雨と風が降って何事もなく済みました。いままた大きそうなハリケーンを背後に抱えた、3つのストームがハワイ諸島に向かっています。ハワイアンたちは雨や風は時に要らないものを洗い流す浄化作業だという言い方をします。カウアイ島が浄化を必要としているのであれば、それは一体何なのかな〜と考えてみたりします。この島に一目惚れして(笑)、ここに移住することを決めた私です。ここでの暮らしで自分が関わる時間のすべてを通して、自分なりに「これが良い」と思える答えを出しながら、丁寧に日々を過ごしていきたいなと思います。

 日本も台風の季節ですね。こちらにハリケーンが来ているとき、日本にも台風11号が上陸していたようですね。四国から床下浸水の様子を写したものが、日本のフラシスから送られてきました。どうぞみなさん、自然災害によるケガなどがないようにお過ごしください。は〜、もう夏も終わりですね。今年は夏の到来にさえ気づかないまま、夏が終わって行こうとしています。


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