キルト・パラダイス　第107回「ハワイ８島のハワイアンキルト」

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第107回「８島のハワイアンキルト」

アン

　皆様アローハ！

　11月に入り、アメリカはサンクスギビングにクリスマスとイベントの多い季節となりました。皆さん、今年は思った通りにキルトを完成できましたか？

　今日はさて、今日はハワイ諸島8島の花と色、そしてキルトをご紹介しましょう。

　皆さんもご存知の通り、ハワイ諸島は大きな8島から成り立っています。一番古い島のカウアイ島はハワイ諸島の最北端に位置しています。1778年カウアイ島のワイメアに、ハワイ諸島に初めてのヨーロッパ人、キャプテンクックが上陸したことでも有名です。島の中心部にそびえるワイアレアレ山は降雨量が世界で最も多い場所の一つとしても有名です。

　カウアイ島の色は紫、そしてモキハナが島の花と指定されています。モキハナは花というより、実ですが、カウアイ島のみに生育するハワイの固有の植物です。レイにもよく使われます。


モキハナのクッション	Mokihana berries and foliage on Waialalae Trail, Kauai photo by Warren L. Wagner

　カウアイ島から南西に27キロの場所に位置しているのはニイハウ島です。この島はハワイ諸島唯一、個人所有の島です。ロビンソン一家所有のニイハウ島は、今でも一般人が簡単に行く事はできません。

　ニイハウ島の色は白で、花ではありませんが、プカシェルが島の花と指定されています。ニイハウ島でしか採れないニイハウシェルはとても貴重で、ネックレスやイヤリングはとても高価です。


プカシェルのクッション	ニイハウシェルはとても高価 photo by Niihau Cultural Heritage Foundation

　私たちが住み、世界的に有名なワイキキビーチのあるオアフ島のホノルルは、ハワイ州の首都でもあります。人口も一番多く、ハワイ州の80%の人が生活し、経済の中心地でもあります。オアフ島はハワイ諸島の中でも３番目に大きな島です。

　オアフ島の色は黄色、花はイリマが指定されています。イリマは海辺の近くで小さい花（直径が約3cmほど）を咲かせます。イリマのレイには約7,000枚の花びらを使うと言われています。花の色は山吹色のようで、昔のハワイ王朝の色と重なる部分もあり、王族により大切にされた花だと言われています。


イリマのクッション	イリマの花と葉

　モロカイ島はオアフ島の隣に位置し、天気の良い時は、マカプウ岬からもモロカイ島を見る事ができます。昔、ハンセン病患者がカラウパパという島の北側に隔離されていたという悲しい歴史もあります。ハンセン病患者を渾身的に介護したベルギー出身のダミアン神父は、2009年、聖人と認定され、列聖はバチカン市国で行われ、ハワイからも信者や患者が参加したことは有名です。

　モロカイ島の色は緑で、花はククイの花。ククイの木はハワイ州の木であり、キャンドルナッツツリーと呼ばれるククイは、ハワイにとって、大切な植物の一つです。


ククイフラワーのクッション	ククイフラワー

　モロカイ島とラナイ島、カホオラヴェ島はマウイ郡に属します。ラナイ島はモロカイ島の隣にあります。昔はパイナップルアイランドと呼ばれ、名のごとく、パイナップルの栽培が盛んな島でした。途中、パイナップル栽培は、安い東南アジア産等に押され、閉鎖してしまい、その後大きなホテルが2つ建設され、観光業をメインにした島となっています。2012年にラリー・エリソン氏に島の98%を買収され、これからどのような島になるか注目を浴びています。

　島の色はオレンジ、花はカウナオアと指定されています。


カウナオアのクッション	カウナオアの花　photo by Forest & Kim Starr (USG)

　そのお隣のマウイ島はハワイ諸島の中でも2番目に大きな島です。その昔、ハワイ王国の首都であり、捕鯨が盛んだった頃、ラハイナはとても栄えていました。現在は大きなリゾートが2カ所あり、観光も充実しています。また、マウイ島の東海岸は昔ながらの、秘境の地ハナなど、今でも手つかずの自然を楽しむ事ができます。毎年12月から4月頃にかけては、ザトウ鯨が出産と子育ての為にマウイ島付近に来るため、ホェールウォッチングのメッカとしても有名です。

　島の色はピンク、花はロケラニローズです。ロケラニローズは八重の花びらで、色もピンクの濃い色をマウイの花としています。


ロケラニローズのクッション	ロケラニローズの花

　カホオラヴェ島はハワイ諸島8つの中で、人が居住していない唯一の島です。また、8つの島の中では一番小さい島になります。昔から戦争地だったせいで、土地は荒廃し、カメハメハ3世の時は流刑地になったそうです。その後太平洋戦争が始まり、米軍の演習地になり人が居住しなくなりました。その後、軍がハワイに島を返還することになり、1991年には米軍が引き払い、この島はハワイの人のための文化的宗教的な活動にのみ使用するという決まりになったそうです。今でもその爪痕である不発弾などを掘り起こす作業が続けられています。

　島の色はグレー、花はヒナヒナです。ヒナヒナの葉は毛が多いため、遠くから見るとグレーに見える事もあります。また、レイにも使われます。

ヒナヒナのクッション

ヒナヒナの葉と花 photo by Forest & Kim Starr (USGS)

　そしてハワイ諸島の中でも一番大きい島はハワイ島です。（ニックネームはビッグアイランド）カメハメハ１世が生まれた島としても有名です。ハワイ島には4,000メートル級の山が２つ、そして今でも火山活動が盛んなキラウエア火山もあり、まだまだ島が大きくなっています。ハワイ諸島の中でも一番若い島だということもわかりますよね。キラウエア火山には火の女神、マダムペレが住んでいるというハワイ特有の神話や伝説も多くあります。

　ハワイ島の色は赤、花はレフアです。このレフアは花の名前であり、レフアの木はオヒアという別の名前が付いています。このオヒア・レフアもマダムペレにまつわる伝説があることでも有名です。ハワイ島ではキラウエアはもちろん、至る所でオヒア・レフアを見かける事ができます。レフアの花はとても特徴的でツンツンと針がたくさんあるような形をしています。


レフアのクッション	レフアの赤い花

　皆さん、ハワイ諸島８島の島の色と花を知っていましたか？

アン

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フラ、レイと並び、ハワイの文化を象徴するハワイアンキルト。その誕生から今日に至る歴史を通じ、キルトに込められたさまざまなメッセージを教えてくれる。実践編では、ハワイアンキルトの約束事や用語、道具などの解説をはじめ、作品制作にあたって注意すべきことなどを、写真を用いながらわかりやすく解説する。また、ハワイ各島を代表する植物と色をテーマにした作品紹介などもある。巻末にはキルト教室とアンティ（先生）の、ハワイ文化における関わりについてページを割いている。

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