ハワイの自然、文化、歴史がテーマのアロハWEBカワラ版
目次
【バックナンバー】
特集:知る・歩く・感じる
キルト・パラダイス
ハワイ日和
ミノリのカウアイ日記
アロハ・ブックシェルフ
ハワイ・ネットワーク
新定番!ハワイのおみやげ
スタッフルーム
アロハ・ピープル
フラ・ミュージアム通信
【ホクレア号】
ホクレア号横浜到着
ホクレア号での航海生活
ハワイの食卓
スタッフのいちおしハワイ
ハレピカケ倶楽部
アロハ・コラム
パワー・オブ・ハワイ
私のフラ体験
ハワイ日系移民の歴史
アストン・ストーリー
>アイランド・クローズアップ
ハワイ島編
マウイ島編
ホロホロ.ハワイ
カワラ版 トップページ
バックナンバー
クリック!
 
RSS1.0
第127回「ハワイ島のハワイアンキルト」
アン
ハワイアンキルトが展示されている廊下
ハワイアンキルトが展示されている廊下
皆様アローハ!

 ハワイ島ではたくさんの伝統的なハワイアンキルトを見られる場所があります。そのハワイアンキルトの裏にはちょっとしたこぼれ話がありました。今日はそのハワイアンキルトとその裏話をご紹介しましょう!

廊下に展示されているハワイアンキルトの一部

廊下に展示されているハワイアンキルトの一部

 ハワイ島のコハラコーストにあるこのホテルでは、ローレンス・ロックフェラーが1965年にホテルを建てる際、世界中の本物のアートを集め、博物館のギャラリーのようにしたいというのが意向だったようです。館内にはインドからのブッダ像を始め、タイからの仏像、ニュージーランドからのオブジェ、マオリ族のパドル、日本からの家具、ハワイアンのカパやティキ、南太平洋の国々からのカパなどが世界の美術館に負けずとも劣らない約1,600数のアートが保有してあります。それに付け加え、29枚の伝統的なハワイアンキルト、それもベッドサイズの2m角のキルトが木の額に入り、廊下に展示してあります。ハワイアンキルトファンであれば、大きなキルトを実際に見てみたくなりますね。


 ハワイアンキルトはある時代まで、ハワイ以外のあまり外に出る事がありませんでした。家族で代々ハワイアンキルトを受け継ぎ、外の人にはそのデザインやキルトを見せることなく、誰ともシェアすることもなく、大切に大切に保管されていたと言われていました。ですが、それではハワイの素晴らしい伝統アートが消えてしまうと将来を危惧したキルターがいました。その内の一人がメアリイ・カラマでした。メアリイはハワイアンキルトのデザインをし、キルトの作り方を教え、そしてデザインの描き方などを教えたりしました。

 1970年代アメリカでは、キルトがただの工芸品としてではなく、一つの芸術として認められるようになって来ました。ニューヨークでハワイアンキルトの展示会が開催され、そこからハワイアンキルトという芸術が見いだされ、世の中に知れ渡るきっかけになったと言われています。

 そして時期は同じくして、ニューヨーク出身のローレンス・ロックフェラーがハワイ島に建設予定のホテルに、ハワイ島の伝統アートであるハワイアンキルト30枚の制作をメアリイ・カラマに依頼したと言います。制作期間約6ヶ月。メアリイ・カラマは30枚、ベッドカバーの大きなハワイアンキルトのデザインを担当しました。そしてホノルルのカワイアハオ教会で一緒に聖歌隊で歌っていたキルター4名とともに30枚のキルトを作り、納めたと言われています。

摘んだ茶葉の水分を飛ばしているところ 摘んだ茶葉の水分を飛ばしているところ 摘んだ茶葉の水分を飛ばしているところ
ウル(パンノキ)、パイナップル、プルメリアなど、廊下に飾ってある大きなベッドカバーサイズのキルトは今でも見る事ができます

 ハワイアンキルトの制作は一針一針すべて手作業で進めます。クッションを一つ完成させるには数週間の時間を要します。この30枚のベッドサイズのハワイアンキルトを6ヶ月で完成させるというのは神業としか言いようがありません。メアリイ・カラマは30枚のデザインをすべて担当しました。カッティングやしつけ、アップリケまでは他の4名にやってもらったと言いますが、キルティングの部分はすべて一人でやっと言われています。1枚のハワイアンキルトを仕上げるには1,500時間、そして6千万針=ステッチが施されました。

 そしてこの時のギャランティはほとんどカワイアハオ教会に寄付したと言われています。現在ホテルではこの中の29枚が保管されています。その中でも3枚のキルトはオリジナルだということですが、傷みもあります。あとの残りは新たに作り直したということです。

摘んだ茶葉の水分を飛ばしているところ 摘んだ茶葉の水分を飛ばしているところ 摘んだ茶葉の水分を飛ばしているところ
マウイ島のシルバースウォード、バナナ、ククイのキルト

摘んだ茶葉の水分を飛ばしているところ
パステルカラーが使われたオリジナルのウルのキルト
 ロックフェラーの最初の注文は、パステルカラーにして作ってほしいということだったそうです。ですが、メアリイ・カラマはハワイアンキルトの伝統である原色使いをしたかったようです。白地に鮮やかな色を使っているキルトは作り直しされたキルトだということですが、パステルカラーのキルトは当時のままのオリジナルキルトであるということでした。

 今現在のフレームのガラスはUVをカットできるものになっているので、生地の腐敗を防げるそうです。また定期的にフレームに入ってしまう虫の駆除などもしているそうで、吹き抜けの廊下に飾ってあるハワイアンキルトの保存は大変だということです。

 
ハワイ州の中でこれだけ大きなハワイアンキルトが常時展示されている場所は他にはないということなので、ありがたさが伝わります。

By アン


参考資料:
http://www.quiltindex.org/essay.php?kid=3-98-B
(キルトインデックス)
The Art of Mauna Kea, by Dr. Don Aanavi

取材協力:
Vicky Kometani
Patti Cook

facebook始めました!:
https://www.facebook.com/pages/Annes-Hawaiian-Quilt/681572441861121


【好評発売中】アンさんの新刊が発売されました

ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力
画像をクリックすると、Amazonのサイトから本を購入することができます。
「ハワイアンキルト パターンとステッチの魅力」
伝統と歴史がはぐくんだハワイの手仕事

著者: 藤原小百合アン
発行: 誠文堂新光社
発売日: 2014年4月14日
価格: 2,800円(税別)
判型: B5変型、208ページ


ハワイアンキルトの歴史や伝統のパターンやステッチだけでなく、その由来や歴史、そして基本的なハワイアンキルトの作り方まで知ることができる一冊。

いままでアンさんがこのコーナーで紹介してくれた歴史的なハワイアンキルトが残る場所や、キルトのモチーフになる植物に出会える植物園も紹介されているので、キルターだけでなく、ハワイの歴史や文化に興味のある方にもぜひ目を通していただければと思います。



ハワイのコンドミニアム滞在を実現する旅行予約情報サイト
「ホロホロハワイ」誕生

アラモレンタカー日本前払いクーポン20%割引キャンペーン実施中!

キャンペーンの詳細はこちら


アストン・コナ・バイ・ザ・シー アストン・ホテルズ&リゾート
ハワイ4島に23軒の個性豊かなコンドミニアムとホテルを運営。お客様それぞれの旅のスタイルに合わせて、お好みのコンドミニアムまたはホテルをお選びください。


アストン・ホテルズ&リゾート ハワイ島

ボルケーノ・ハウス アクア・ホスピタリティー
ハワイ島には、ホテルに居ながら火山活動を感じることができるハワイ火山国立公園内唯一のホテルと、ハワイ島東部のノスタルジックな街並みが広がるヒロのホテルの、2軒のホテルがあります。

アクア・ホスピタリティー ハワイ島

個人情報保護の方針 クッキーの利用について
Copyright (C) 2002-2003 PACIFIC RESORTS.INC., All rights reserved.