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風と雨と虹の話 (1)
近藤純夫

コオラウ山脈にかかる雨雲
 ハワイへ出かけるとき、傘をもって出かけますか? 荷物を減らすのに四苦八苦しているのであれば思い切って傘は置いていきましょう。日焼けが恐い女性には、日傘の代わりにもなるでしょうが、地元ではほとんどだれも傘を持ち歩きません。では、雨は降らないのかと言えば、もちろん降ります。雨が降るのに傘はいらない…というというおかしな話が今回のテーマです。


カエナ岬の風上側。白波が立っている

直後に訪れた風下側。海面は鏡のようになめらか
 ハワイへ出かけるときに傘がいらないのは雨が少ないからと答えた方は、おそらくホノルルやカイルアコナ、カアナパリといったリゾート地に滞在していたのではないでしょうか。いずれの町も島の南か西に面しているという共通点があるのに気づきましたか? 実はこの立地が降雨に大きく関係するのです。

 ハワイ諸島は一年を通じて貿易風が吹いているのですが、風はおおよそ北東から吹きつけます。しかし、湿った空気はホノルルであればコオラウ山脈、カイルアコナであればマウナケアやマウナロア、フアラライ山、カアナパリであればハレアカラの北面や東面に当たって雨を落とし、山を乗り越えた風はすっかり乾燥してしまいます。たとえば、オアフ島では北東の海岸線にはウインドワード(風上)、南西の海岸線にはリーワード(風下)という名前が海岸線に付いていますが、これも貿易風に関係しています。


マウナケアとマウナロアの中腹に広がる雲

雲の下は暗く、気温も低い

 4,000mを超える高山が連なるハワイ島では、貿易風の湿った空気は標高2,000mほどの峠を越えることはほとんどなく、北東側にいつも厚い雨雲を広げています。この地にあるヒロの町に雨が多いのもそれが理由です。けれども、そのせいでマウナケアの山頂付近はつねに乾燥した状態となり、その他の要因も重なって、天体観測には絶好の条件となります。

 風も同じ理由で、北東から吹きつけます。しかし、風は山肌に当たると、地形や高度による温度差などで複雑な動きをするので、必ずしも一定方向から吹きつけるわけではありません。それでも、たとえばコオラウ山脈の真ん中にあって、櫛が欠けたような峡谷をつくるヌアヌパリは風の抜け道となっていて、つねに北東から南西に向かって強い風が吹き抜けます。


ヌアヌパリではつねに 北から南に吹き抜ける風のせいで木々が南に傾いでいる
 さて、ようやく傘の話です。ハワイへ行かれた方ならだれでも知っているでしょうが、リゾート地でも雨は降ります。しかし、熱帯性の降雨はたいていは10分も待てば上がりますから、ロコたちはのんびりと雨の上がるのを待ちます。冬季(※10月末から3月頃)は、天候が不安定で、ときに風や雨が降ったりやんだりを繰り返すこともあります。

世界有数の降雨量を誇るワイメア渓谷にかかる雲

 しかし、ずぶ濡れになるほどではありませんので、やはりみな傘はささないのです。ただし、マウイ島のハナやカウアイ島のワイメア渓谷、あるいはハワイ島のヒロなど、島の北東部に滞在するときや、山を歩くときには、体温の低下を防止するためにも、折りたたんで収納できる軽量のレインウエアを1枚用意しておくとよいでしょう。

  次回はハワイの象徴とも言える虹の話です。お楽しみに。

第1回 ダイヤモンドヘッドに登ろう −その1 2002年8月1日
第2回 ダイヤモンドヘッドに登ろう −その2 2002年8月15日

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