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ハワイの楽器 (1)
近藤純夫

 ハワイには多くの楽器があります。なかでもフラで使用するヒョウタン製のイプ(イプ・フラ)は、ホテルのインテリアにもなっているので、よく見かけることと思います。今回はその第1回目としてハワイ特産の楽器にはどのようなものがあるかを見ていきます。

◆ココナッツ


Puniu
Pahu Hula

Puniu / Iwi Puniu

チャントを唱える人が使用するドラムで、膝ではさんで使用します。ココナッツの実を半分にしたものに、三つ編みにしたひもをゆわえつけてあります。"Niu"はココナッツ、"Puniu"や"Iwi"はココナッツの殻を指します。ココナッツの殻は貝殻でココナッツの実の表面を削り取り、サメ革を使って滑らかにしたあと、ククイの実のオイルをカパにつけてで磨き上げて光沢を出します。ひもはココナッツの実の繊維を使って編み込みます。楽器を演奏するときは、ひものひとつの先端を丸く固め、その部分をドラムの革に打ち付けます。

Pahu Hula

チャントを唱える人が使用する大型のドラム。ココヤシの木をくり抜き、上にサメの革を貼ります。両手で叩くのが基本ですが、踵で大きな音を出したり、指先で繊細な音を出すこともあります。"Pahu"とはドラムのことですが、ふつうは大型のドラムを指します。

Pahu Heiau / Temple Drum

Pahu Hulaをさらに大型にしたもの。フィジーからタヒチにかけてよく見られます。"Pahu Hula"が比較的シンプルなデザインであるのに対し、多くの装飾が施されています。また、"Pahu Hula"の素材はココヤシですが、こちらはパンノキを使用することもあります。

◆ヒョウタン

Ipu Hula
Ipu Heke

Ipu Hula

チャントを唱える人が使用する、フラではもっとも基本となる楽器。ヒョウタン(Ipu)で作ります。体の大きさに合わせたサイズがあります。現地でそのような解釈を聞いたことはありませんが、権威のあるM.K.Pukuiのハワイ辞書では"Ipu Hula"はふたつのヒョウタンを貼り合わせたもの、つまり"Ipu Heke"を指しているようです。

Ipu Heke / Double Drum

チャントを唱える人が使用する楽器で、ヒョウタンをふたつ貼り合わせる。くびれた部分にひもをまきつけ、ひもの先は手首にまきつけて楽器に添えます。"Heke"とは「上の」という意味。Pukuiの辞書では"Ipu Hula"を指すようです。

Hokiokio / Ipu Hokiokio

ヒョウタンで作成したホイッスル。"Hokiokio"には口笛を吹くという意味がありますが、鼻で吹きます。指で押さえる穴が3つあるのが標準タイプです。ヒョウタン製以外にココナッツで作られることもあります。

Uli-Uli
Ulili

Uli-Uli / Gourd Rattle

羽飾り付きのマラカスのようなもの。"Uli"とは「ガラガラという音」のことで、本来は乾燥したヒョウタンのなかにある種の音を指しました。かつてハワイミツスイの羽根が使われました。持ち手の部分はヒョウタンでできていて、なかにアリイ・ポエの実を入れます。使用するときは片手に1つ、あるいは2つ持つ場合と、両手に1つずつ、あるいは2つずつ持つ場合があります。

Ulili

振り回して(回転させて)使用する楽器。回転させるガラガラのようなもの。"Uli"の意味は"Uli-Uli"に同じ。本体はヒョウタンでできています。

◆竹


Ohe Ka Eke Eke、Ohe Hano Ihu、Pu'Ili

Ohe Ka'eke'eke / Loloa

長い竹で作られた竹笛。"Standing Hula"とも呼ばれ、フラやチャントで使用されることがあります。長さは1mほどで、穴は上方にのみあいています。ハワイでは"Ohe"を省略し、"Ka'eke'eke"と呼ぶようです。

Ohe ka'eke'eke / Pokole

竹製のドラム。短いタイプで"Sitting Hula"とも呼ばれます。演奏者は両手に"Ohe Ka'eke'eke"を持ち、地面かマット、あるいは特別の石に楽器の閉じた方を同時、あるいは交互に押すようにします。長さは30cm前後です。

Ohe Hano Ihu

竹製の鼻笛。オヘとはハワイの竹のこと。ハワイに竹の固有種があるかどうかは定かではありませんが、オアフ島のライアン植物園とホオマルヒア植物園、それにオーデュボン協会植物園でオヘの群生を見ることができます。節と節の間隔が長いのが特徴。楽器に使用するのは暗緑色の比較的若いオヘを使用ます。

Pu'Ili

たてに切れ目を入れた竹製のスティック。ふたつ一組で用い、スティックどうし、あるいは自分の手足を叩いて音を出します。日本の簓(ささら)のようなもので、主にダンスに使用します。

Pu Ohe

主にフラで使用する"Ohe Hano Ihu"のような笛。ただし、鼻で吹けないこともありませんが、通常は口で吹きます。口径は"Ohe Hano Ihu"の数倍(10cm前後)あります。穴は3つあります。かつては遠距離どうしが互いを確認するのに用いられたと言われています。

◆その他


Pu Kani

Pu Kani / Shell Trumpets

巻き貝を使った楽器で、ホラ貝のようなもの。音は意外に鋭く、3kmも遠方に届くと言われています。"Pu"とも呼ばれます。オアフ島のヌウアヌ渓谷には、神々を支配するため、この貝を使ったというメネフネ伝説があります。ビショップ博物館に原型があります。昔、"Pu Kani"はチャントの儀式に使用されたほか、ハワイ州議会の開催にも使用されています。

Ka-La'Au Hula

ダンスの拍子用として使用された伝統的なスティック。固い木で作られています。大型で長い"Kakala'au"という「やす」または「槍」が出所だと言われています。"Papa Hehi"を使うときは、板の下に敷きます。

'Ili 'Ili

ふたつの小石を手に握り、カスタネットのようにして使用します。"'Ili 'Ili"とは小石がたくさんある状態を指します。


'Ili 'Ili
Papa Hehi

Papa Hehi / Ku Ana

フラで使用する踏み鳴らし用の板。足踏み台と"Kala'au"で構成されます。"Papa"は平らな、"Hehi"は踏み台の意味。"Papa Hehi"を演奏するときは"Kala'au"を板の下に置き、どちらかの足を板の上に乗せて立って、手前と向う側を交互に地面に打ちつけます。

次回は「ハワイの楽器(2)」と題して、ハワイの楽器と文化の関わりをみます。

>> 過去の特集は、こちらでご覧いただけます。


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