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サモアン・ウエディング

ミノリ・K・エバンズ
意外にもシンプルなウエディングケーキ

 日本の友人知人から、桜の写真が届き始めた。桜の花はほんとうに美しいなぁと、いつも思う。桜のような、繊細な花の美しさ、はかなさみたいなものは、こちらではあまりお目にかからない。青い空の下で、色鮮やかに咲いて、サラっと散ってゆく。だからだろうか、桜の季節というのは、若干、日本への恋しさが高まる季節である。とはいえ、それもすぐに「あ〜、でも桜を見に行くってことは、人混みに突入していくことなんだなぁ」などと思って、ふっと心に浮かんだ郷愁も、桜の花びらのように一瞬にして消えていくのである。

ちょっと衝撃的だった「リンゴを口にくわえた豚の料理」

 カウアイの暮らしが長くなるほどに、どんどんと暮らしが忙しくなっていく気がしている。たぶん、暮らしのいろいろなことに慣れて、行動範囲や、人とのつきあいも広がってきたからだろうか。毎日、毎日があっと言う間に過ぎて、気がつけば、次の月へと、卓上カレンダーの新しいページをめくっている。同時に、日本で暮らしていた頃よりも、体内時計みたいなものはずいぶんとペースダウンして、モノごとをこなすペースもスローダウンしているのかもしれない。だから、一日にこなせることの範囲が少なくなって、日々の時間があっと言う間に過ぎて行くのかも。それはそれで、私には嬉しいことである。カウアイでの暮らしでは、自分の感覚に沿って、一日のスケジュールが決められる。なんて私に合っている暮らしだろう、そして、なんて贅沢なことだろうと思う。

これがいただいたサモアン柄のエプロン

 そんな「自分なりに」忙しい暮らしの中、昨日は、フラのハラウ(教室)のメンバーの何人かで、知人の結婚式のお手伝いに行ってきた。正確に言うと、知人の弟の結婚式。知人は、サモアの人で、サモアン・スタイルのウエディング・レセプション(披露宴)である。私たちの今日のお仕事は「フード・サーバー」。披露宴で並ぶ料理を来客にサービングするお役目である。ハラウで出かけるというと、フラを踊りに出かけるのが通常であるが、なぜか私たちのハラウはこうして、裏仕事のお手伝いに出かけることが多い。現地に、夕方4時30分に集合。キッチンに入って、最初に出す、PUPU(前菜)テーブル、そしてデザート・テーブルに並べるべく集まった料理を整理していると、来客が続々と到着。しかも手に手に、料理を持ってやってくる。その量といったら、「どうやってさばくの?」と言いたくなるばかりのものである。その間に、主菜テーブルの料理の準備も進める。その料理を見ているだけで、お腹がいっぱいになる。料理はトレーに入って、それにアルミホイルがかけられてキッチンカウンターの上に並べられている。そんな中「はい、次はそれを開けて」と言われて、アルミホイルを取ると、リンゴを口にくわえた豚の頭がどどんっと出てきた。「うわ、なんじゃこりゃ〜!」と、心の中で叫ぶつもりが、声に出して「うわ、なんじゃこりゃ〜!」と思わず叫んでしまった。けっこう衝撃的な一品である。聞けば、サモアではお決まりの一品らしい。残念ながら、その料理が祝い用なのか、なぜ豚がリンゴを口にくわえて焼かれるのかは聞かず終いになってしまったのが心残りである。ともかく、リンゴを口にくわえた豚の頭をテーブルに運ぶ。料理というより、ちょっと変わったアートのように私には見えて仕方がなかったのだけれど。

テーブルが一杯になった後も続々と新しいデザートが運ばれ続けた

 7時頃に始まったレセプションは9時30分をまわっても、一向に終わる様子もない。みんなひたすら食べ、踊っている。主催者(知人)ファミリーから、私たちに「ありがとう」と言って、サモアン柄の布地で作られた可愛らしいエプロンと、サモアン柄のパレオ(一枚の布)、そしてヘアー・バレット(髪留め)をいただいた。エプロンは主催者ファミリーの一人が、ひとつひとつ縫ってくれたハンドメイドである。新婦の知人の弟がサモア人、新婦がフィリピンと日本のハーフ、そしてここはハワイとあって、持ち寄られた料理も各国のものが並んで興味深い。サモアの料理には、ほとんどココナッツ・ミルクが使われるらしく、PUPU、デザート、主菜にもココナッツ・ミルクが多用されていた。ココナッツ・ミルクにアレルギーがある私には手がつけられなかったものが多いのが残念であった。「宴もたけなわになってきたところで、そろそろお開き」という感じになる日本の披露宴とは違って、新郎新婦の到着時から、一気に宴はヒートアップ。「たけなわ」どころか、疲れ知らず、終わりの見えない様子の披露宴である。これもサモアン・スタイルなのかなぁと思いつつ、ひっそりと披露宴会場を後にした私たちである。

 ハワイはご存知の通り、シュガープランテーション時代以降、ハワイ、日本、フィリピン、中国、韓国、ポルトガル、プエルトルコからの人々が混じって暮らし、最近では、アメリカ本土からのアメリカ人、ヨーロッパ各国、諸アジアからの移民と、いろいろな国籍の文化が混じって現在のハワイを作っている。そして、ここの暮らしの中では、そうしたいろいろな文化に触れる機会が多い。「あ〜、日本では桜の季節かぁ」と母国を思った数時間後に、異国の文化の中で流れる曲に合わせてステップを踏みつつ、料理をサーブしている私。なんだか不思議な感覚で過ごすことも多い、カウアイでの暮らしである。

 


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