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花物語(12) ヤシの木の世界(1) ココヤシ
近藤純夫
ココヤシの林

 ハワイでもっともよく知られた木と言えばヤシの木かもしれません。ココヤシはその代表選手のような存在です。そもそも椰子ということばはココヤシを指す日本語です。ヤシ科は世界の熱帯と亜熱帯を中心に2500種以上が分布しており、ハワイにも数百種が移植されました。しかし、その違いに気づく人は多くないでしょう。そこで、ココヤシを中心に、ハワイでよく見られるヤシ科の植物を何回かに分けて紹介します。

たわわに実ったココナッツ

 常夏の島ではどこでも見かけるヤシの木ですが、ではどのように太平洋諸島に広がっていったのでしょうか。ヤシの実は固く何層もの殻(果皮)に覆われているため、海流に乗って漂い他の島に漂着して発芽することがあります。しかし、発芽にいたるまでのプロセスはそれほど簡単ではありません。どれほど陸に近くても海面では発芽しませんし、砂地にはなかなか定着しません。仮に発芽して成長しても子孫を残すことはほとんどできません。たとえばココヤシは雌雄同株ですが、花の咲く時期が異なるため、滅多に受粉することはありません。複数のココナッツが漂着し、安定した土壌に乗り、いずれもが成長するためにはいくつもの偶然が重ならなければならないのです。その確率がとても低いため、一部には、たとえ無人島であっても、ヤシの木は人が植えたものという説もあります。

 ハワイに持ちこまれた最初のヤシの木はポリネシア人が持ちこんだココヤシでした。ココヤシはハワイ名をNiuと言います。ハワイ人はタヒチやマルケサスから到来したとされていますが、niu ということばはサモアやトンガで用いられることばで、タヒチでは tumu ha'ari、マルケサスでは ehi と呼ばれます。

ココナッツの断面図

 ポリネシア人がココヤシを持ちこんだという事実には大きな意味があります。無人の島に暮らすためには、そこにある植物に依存するのではなく、食物を中心とする自分たちの文化を再現させる必要があるからです。すべての生活環境を再現することはできませんから、持ちこむものは厳選されたはずです。ココヤシもその例外ではなく、花、葉、実、幹のすべてが暮らしのなかで使われました。

 ココナッツの液状の胚乳は飲み物代わりになりました。ただし、完熟した実には液状の胚乳は含まれません。固形の胚乳を絞ったもの、あるいはフレーク状にしたものは、食材として用いられたほか、船乗りが髪や体に塗って体温低下を防ぐことにも用いられました。外側の殻のすぐ内側にある繊維(中果皮)は焚きつけや、ロープ、タワシとなり、開花前の花軸を切ったときに出る樹液は、そのまま飲めば甘いジュースに、発酵させればヤシ酒になります。また、幹は建材やカヌー、楽器、食器などに、葉は屋根を葺いたり、籠などの編み細工に用いられました。葉の茎のようにみえる部分(中肋)は箒に用いたり、松明の支柱に用いられました。

観光地やホテルの敷地では実ができる前に切り落とす

 ポリネシア人によってハワイに持ちこまれたココヤシには2種類あり、「Niu Hiwa」と呼ばれるものは外果皮が暗緑色しており、内果皮は黒色です。これは儀式や薬用、食用に用いられました。「Niu lelo」と呼ばれるものは外果皮が赤身を帯びた褐色で、内果皮は黄色です。こちらは建材や燃料、食用など、儀式と薬用以外の一般的な目的に用いられました。今日でも胚乳を乾燥させたコプラから採れる油は、化粧品や石鹸の原材料として用いられています。

ココスはポルトガル語でサルの意味

 ココヤシは学名をCocos nucifera、英名をCoconut Palm といい、成長すると20〜30mにもなる高木です。羽状の葉は黄色みを帯びた緑色で光沢があり、成長すると4mほどになります。この葉は年に10枚ほどつき、古いものは落葉します。花はまとまって咲き、その集合体(花序)は 1.2〜1.8mほどです。最初に雄花が、次に雌花が咲きます。実(ココナッツ)は楕円形で、内果皮の基部付近に3つの孔があります。この孔がサルに似ていることから、ポルトガル語でココス(サル)の名がつきました。ハワイでは街路樹や、海岸の植栽としてよく用いられます。ココヤシは海岸に植林されることが多く、おおよそ8m間隔で植えられます。成長後、毎年100個前後の実(長径25〜30cm)を、50年に渡ってつけます。

次回はヤシの木の世界(2)と題してハワイ固有種のロウルやトックリヤシを紹介します。

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