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フラ(3)
近藤純夫
鼻笛を吹く少年

 カヒコ・フラ(伝統的なフラ)は、ある特定の様式(スタイル)を指すのではなく、西欧文明の影響を受けるまえに存在したさまざまな様式の総称として用いられたものです。そのなかには1000年以上前にポリネシア人がハワイ諸島に入植したときから存在しただろうものから、100年少し前にカラカウア王が自らつくり、今日のアウアナのきっかけとなったものまで、さまざまな様式がありました。しかしそれらの多くは継承されることなく、やがて歴史の闇の中に消えてしまいました。

 19世紀末から20世紀初期にかけ、ナサニエル・エマーソンというハワイ語を理解する医者がフラの研究を行いました。彼は古老や関係者に取材し、当時すでに消滅しつつあった伝統フラの情報収集と整理を行ったのです。その成果のひとつに『文字として残されなかったハワイの文献(Unwritten Literature of Hawaiʻi)』があります。この著作では、ハーラウで教えていたものを基本に、30以上の様式を紹介しています。

フラ・キ・イーに用いる操り人形

 すべてのフラの基本ともなるべき、神聖で高貴な様式がフラ・アーラ・アパパ(hula ʻālaʻapapa)です。このことばには「包み隠さず語る」という意味があり、フラの核をなすものです。アーラ・アパパと同じように高貴とされる様式に、フラ・パー・イプ(hula pā ipu)、あるいはフラ・クオロ(hula kuolo)があります。このフラはノホと言って、膝をついたまま踊ります。パー・イプとは「イプ(ヒョウタン)を叩く」という意味で、重々しくイプを叩きながらチャントを唱え、上半身を動かします。アーラ・アパパとの違いは、喜怒哀楽の表現がさらにはっきりとしていることで、イプを高く揚げ、激しく振り回します。フラ・キ・イー(hula kiʻī)は、フラの女神のひとりとされるカポが、妹のケヴェラニに踊らせたことで知られています。キ・イーとは操り人形のことで、操り人形にフラをさせたり、何かを真似た操り人形のような動作で踊るフラです。

楽器名のついたフラ

 楽器の名前が付いたフラもいくつかあります。フラ・パフ(hula pahu)は、パフと呼ばれる太鼓を用いたフラで、大きな身振りと力強さが特徴です。アーラ・アパパと同じく、きわめて気品にあふれたものでした。フラ・ウリー・ウリー(hula ʻulīʻulī)は、ウリー・ウリーという、マラカスのような楽器を用いたフラです。このフラを踊るときはカヴァというコショウ科の植物と、子豚を女神ラカの祭壇に祀りました。フラ・プー・イリ(hula pūʻili)は、プー・イリという竹製のスティックを用いたフラです。今日のフラでも用いられますが、現在と異なり、1本だけで演じられることが多かったようです。 

 フラ・カー・ラ・アウ(hula kā laʻau)は、カー・ラ・アウと呼ばれる木製のスティックを用いたフラです。カーは「打つ」、ラ・アウは「木」を意味します。チャンターと踊り手の双方がカー・ラ・アウを持って演じます。足はパパ・ヘヒと呼ばれる打楽器を操作することもありましたが、これはカウアイ島とニイハウ島の様式で、他の島では、初期には用いられませんでした。フラ・イリ・イリ(hula ʻiliʻili)は、イリ・イリと呼ばれる2つの小石を、手の中でカスタネットのように叩きながら演じるフラです。フラ・カー・エケ・エケ(hula kāʻekeʻeke)は、オヘ・カー・エケ・エケと呼ばれる、筒状の竹を用いて行う、格式の高いフラです。

郡長(かつての首長)の前でフラを踊る

 フラ・ニー・アウカニ(hula nīʻaukani)は、ニー・アウカニと呼ばれる、竹に糸を張った楽器を使います。楽器を口にくわえ、爪で糸を弾きながら音を出し、さらにメレも唱えるので高度な技術が必要とされます。フラ・オヘ(hula ʻohe)は、オヘ・ハノ・イフと呼ばれる鼻笛を演奏しながら行うフラです。鼻で笛を吹きながら、同時にメレも唱えるという高度なテクニックを求められます。フラ・パフア(hula Pahua)は、杖を使った動きの早いフラです。セクシャルな事柄を激しい動きで演じますが、ハワイの人々は快活にこれを演じました。フラ・ウーリリ(hula ʻūlili)は、ウーリリと呼ばれる風切り音を出す小型の楽器を用いて踊ります。ハーラウの約束事にしばられないフラで、フラ・コリリ(hula kolili)」とも呼ばれました。

フラ・コーレアを踊る人たち

動物名のついたフラ

 フラ・コーレア(hula kōlea)は、コーレアと呼ばれるチドリの一種の物まねをするフラです。膝を折り、一列に並んで演じます。全員が鳥と同じように落ちつきなく辺りを見ながら踊るので、滑稽な印象を与えました。フラ・マノー(hula manō)は、マノー(鮫)を真似て演じるフラです。膝をついて踊り、静かな調子でメレを唱えます。ハーラウではフラ・コーレアと一緒に学びました。

 フラ・イーリオ(hula ʻīlio)は、イーリオ(犬)の真似をして踊るフラです。立ったり座ったりをひんぱんに繰り返します。フラ・プア・ア(hula puaʻa)は、プア・ア(豚)を真似て、腰を左右に振りながら踊ります。胸を叩いたり、両腕を前方に突き出したり、体を後ろに反らせるといった激しい動きをします。アミ・プア・ア(ʻami puaʻa)とも呼ばれました。

その他のフラ

 フラ・ペレ(hula Pele)は、火の女神ペレに捧げられる聖なるフラです。演じる前に塩とタロイモの葉に盛った食べものを供物として捧げました。踊り手はあまり移動せず、その場で立ったり屈んだりしながら踊ります。フラ・パ・イ・ウマウマ(hula paʻi umauma)は、膝をつき、てのひらで胸を叩きながら踊るエネルギッシュなフラです。フラ・パラーニ(hula palāni)」とも呼ばれました。

 フラ・ク・イ(hula kuʻi)は、カラカウア王の即位式で発表された創作フラです。その後、一般大衆に広く普及しました。フラ・ク・イ・モロカイ(hula kuʻi Molokaʻi)はフラ・ク・イの一種で、モロカイ島が起源です。ボクシングのように素早く手を突き出したり、漁網を引くような仕草で演じるため、笑いを誘いました。フラ・オーラパ(hula ʻōlapa)はカヒコ・フラにもっとも近いとされる様式で、フラ・ク・イの原形とも言われます。

いくつものイプ・ヘケが並ぶ大規模なフラ

 フラ・キ・エレイ(hula kiʻelei)は、うずくまるような姿勢からはじめるフラで、激しく腰を動かします。ただし、セクシャルなものではありません。このフラを踊るときは、黒豚と何種類かのニワトリ、そしてカヴァを祭壇に捧げます。フラ・キ・レレイ(hula kiʻlelei)とも呼ばれました。

 フラ・ム・ウム・ウ(hula muʻumuʻu)は、火の女神ペレの妹ヒイアカがペレの命令でカウアイ島まで旅する物語を踊りで表現します。踊りより物語が中心なので、フラで演じられるだけでなく、語り部たちによっても語られました。フラ・コーラニ(kōlani)は、アリ・イ(首長)のために座って演じられた高貴で優雅なフラです。きわめて高度な技術を要求されたため、熟達者のみが演じました。

 フラ・オヘロ(hula ʻōhelo)は、片手でなにかにつかまりながら体を傾け、反対側の腕と足でのこぎりを引くような動作をして演じます。オヘロには「早く動く」という意味があります。フラ・オヘロで歌われるメレ(mele ʻōhelo)はたくさんありますが、いずれもセクシャルな意味が込められています。フラ・ヘロ(hula helo)とも呼ばれました。

 フラ・キル(hula kilu)は、アリ・イ(首長)の前で演じられた格式張らないフラです。賭けゲームを行い、負けたときに踊りました。キルには「小振りのヒョウタン」とか「ココナッツの殻」の意味があり、踊りにはそれらを素材にして作られたプーニウと呼ばれる小太鼓が使われました。フラ・ホ・オナナー(hula hoʻonanā)は、野外レクリエーションとして演じられるフラです。ホ・オナナーには「気取った」という意味があります。ハーラウの規則に縛られることなく、自由に踊ることができました。アリ・イが主催するルー・アウ(ディナー・パーティー)などで踊られました。フラ・オーニウ(hula ʻōniu)は、娯楽として演じられましたが、踊りながらオリを唱えたりもしました。

トップページの画像は膝をついて踊るフラを描いたものです。
次回はククイについてお話しします。


ポリネシア・カルチャー・センター

ポリネシア・カルチャー・センターは、ポリネシアの伝統と遊びが半日で楽しめるテーマパークです。フラ・レッスンやレイメイキングが体験できる「ルアウ・ワークショップ・パッケージ」やポリネシアのゲームや釣りなどで大人から子供まで楽しめる「ファミリー・パッケージ」がおすすめです。
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【ハワイの文化】
 ペトログリフ 2003年6月19日
 ハワイの楽器 (1) 2003年8月7日
 ハワイの楽器 (2) メレとフラ、イプ 2003年8月21日
 ハワイのことば (1) 2004年3月18日
 ハワイのことば (2) 2004年4月1日
 ポリネシア・カルチャー・センター 2006年10月5日
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