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グリーサンドビーチ散策
近藤純夫
ヘイアウと標識
カヌーをもやった穴の跡

 ハワイには多くのトレイルがありますが、トレイルとして登録されていない場所にも興味深いスポットが数多くあります。ハワイ島のグリーンサンドビーチもそうした場所のひとつとして人気があります。

 グリーンサンドビーチは、アメリカ合衆国の最南端でもあるハワイ島最南端近くにあります。老朽化した風力発電地帯を抜けると間もなく、サウスポイント(カ・ラエ)とカウラナ岬との分岐点に出ます。ビーチへ行く前にカウラナ岬へ寄ってみましょう。ここはかつて豊かな漁場として栄えたところです。ビショップ博物館が収集した釣り針の大半はこの一帯で発掘されたものです。海岸にはいまもカヌーをもやった穴の跡などが残っています。岬にある赤と白に塗り分けられた海上標識の足元にはカラレア・ヘイアウがあります。ここはかつて豊漁と安全を祈願する漁師のためのヘイアウで、女人禁制でした。一帯は合衆国の国立歴史遺跡地(National Historical Landmark)となっています。

海辺沿いの道

 分岐点へ戻り、右折してカ・ラエへ向かいましょう。途中売店のようなところと駐車場がありますが、そこを通過して少し進むと広い海岸に出ます。地面は整備されていないので、あまり遠くに車を停めない方がよいでしょう。海に向かって左手の少し高くなったところにグリーンサンドビーチに至るトレイルがあります。以前は車で入ることができましたが、現在は関係者以外進入禁止となりました。おかげで静かな散策を楽しむことができるようになったと言いたいところですが、いまもときおり四輪駆動車の姿を見かけます。もっとも、とくに決まったルートがあるわけではないので、車とすれ違うようなことはほとんどありません。

浜辺に打ち上げられた漂流物

 ルートはほぼ海岸線に沿って伸びています。最初はアア溶岩(ゴツゴツとした溶岩)を歩きますが、ほどなく溶岩と砂地が入り交じった地形となります。周辺にはビーチ・ナウパカ(Naupaka kahakai)やハウ(Hau)、タコノキ(Hala)などに混じり、黄色のトゲを持ったヘッジホッグゴード(Pua‘a ‘ōkalakala)や、ヒルガオの仲間のポーフエフエ(pōhuehue)、ハマビシの仲間のノフ(nohu)など、浜辺にはさまざまなつる植物が自生しています。

 動物の姿は海鳥を除いてほとんど見かけませんが、トレイルの岩陰にはヒメネズミや昆虫たちを見かけます。潮流の関係なのか、波打ち際にゴミの多いのが少し残念なところです。トレイルは途中、何度も分岐しますが、海が見える範囲で歩いていれば迷うことはありません。

 前方に見える小高い地点に到着すると、岩陰からグリーンサンドビーチを覗けます。ビーチへはここから下りられないこともないですが、誤った場所から下りると危険なので、もう少し先まで進みます。この一帯にはビーチ名の由来ともなった橄欖(かんらん)石の小さな結晶が点在します。ビーチが緑色をしている理由は、マグマのなかに含まれている橄欖石の結晶が緑褐色をしているためです。砂には他の鉱物も混じっているので全体には灰緑色に見えます。地元ではこの結晶を緑水晶と呼び、かつては採集して利用したこともあったようです。コナ地区のショップでは現在も緑水晶と称して、結晶の入った石を売っています。

 やがて、右手の岩場が少し切れたところからビーチを見下ろすところに出ます。それなりの高度感があって腰が引けるかもしれません。無理をせずにここから戻ってもいいですが、見た目ほど危なくはないので、岩の上にステップを探し、ルートを決めてゆっくり足を下ろしていけば意外に簡単に下まで降りることができます。海はかなり潮流が強いので泳ぐのは避けたほうがよいでしょう。ビーチでのひとときを楽しんだなら、来た道を戻りましょう。

ゴーヤ(ニガウリ)の仲間のヘッジホッグゴード
前方に目的地が見えはじめる

アプローチ

グリーンサンドビーチ

 カイルアコナからは11号を南下してナアレフの町の少し手前で右折し、サウスポイント・ロードを南下します。ヒロからはやはり11号を南下し、ナアレフの町を過ぎたら左折してサウスポイント・ロードへ入ります。いずれの方向から来ても、サウスポイントの標識が手前にあります。サウスポイント・ロードを南下して南端に到達する少し手前を左に入り、建物がいくつかあるところを通り過ぎると海岸(カウラナ湾)に突き当たります。海岸の少し手前にビジターセンターに似た建物があり、「車は道をはさんで向かい側に停め5ドル支払うように」とありますが、これは不法営業なので従う必要はありません。そのまま海岸線へ進みましょう。グリーンサンドビーチへは、徒歩で往復2時間強といったところです。

グリーンサンドビーチ

注意事項

 ビーチへ下りる道はかなり急傾斜なので、子連れの場合は十分気をつけましょう。降りてしまえば意外に簡単に思える斜面ですが、自信のないときは潔く引き返すべきです。サウスポイント・ロードは道幅が狭く、レンタカーを運転して事故にあった場合は保険補償の対象外となることに気をつけてください。

表紙はグリーンサンドビーチの遠景です。次回はフラなどで知られるティ(キー)についてお話しします。
 

【ハワイの自然〜トレイルを歩く】
 トレイルを歩く(1) マノア滝トレイルを歩く 2004年5月6日
 トレイルを歩く(2) ペペオパエ・トレイル(モロカイ島) 2004年10月21日
 トレイルを歩く(3) ナーパウ・トレイル 2004年11月4日
 トレイルを歩く(4) メネフネ神話発祥の山に登る(ノウノウ山イースト・トレイル) 2006年2月2日
 トレイルを歩く(5) ポロル渓谷 2006年5月18日
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