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ペペオパエ・トレイル(モロカイ島)
近藤純夫
トレイルの入口にあるネイチャー・コンサーバンシーの看板

 モロカイ島はマウイ島とラナイ島とともに、かつてはひとつの大きな島(大マウイ)を形成していました。そのため、島の地質的な特徴は他の2つの島とよく似ているところがあります。しかし、植物の景観は、そこに降り注ぐ雨や風の影響で、島独自の景観を築き上げてきました。モロカイ島では島の西半分に比較的なだらかな土地と、見晴しのよい景観がつづきますが、島の東側には山が立ち上がり、深い森が広がっています。今回は、この森のなかにあるペペオパエ・トレイルを紹介します。

樹高10メートルを超えるオヒアが密生する森

 ペペオパエは、モロカイ島の東部にあるカマコウ自然保護区の湿原地帯です。ネイチャー・コンサーバンシーという自然保護団体が管理するハワイ諸島の自然保護区のひとつで、一般に公開されている数少ない貴重な原生自然です。トレイルまでの長く荒れたアプローチの終点に小さな駐車スペースがあり、控えめの看板が自然保護区の玄関口であることを教えてくれます。スタート地点のわきには、昆虫のトラッピング(捕虫ケース)がいくつかかけられていますが、これは周辺の生物分布調査のひとつです。コースは湿地帯に作られているため、全行程に木道が敷かれています。

頂上直下の湿原

 トレイルはとても狭く、左右にはシダが生い茂っています。次第に勾配の増す道を登りつづけると、シダに混じってオヒアの木や、地衣類・コケ類などが顔を現します。オヒアの木はトレイルの出発点近くでは樹高が10メートル以上もありますが、登るにつれて低くなっていきます。これは高度が上がるほど、生育条件が悪くなるためです。オヒアは自ら成長を抑え、少ない栄養でも生き延びることができるように対応しているのです。コースの最後には気持ちの良い湿原が現れますが、そこに点在するオヒアは樹高がわずか30センチほどしかありません。ただし、オヒアレフアの赤い花は巨木も灌木もみな同じサイズです。

 原生湿原は注意深く管理されていますが、最近はヤギや野ブタが侵入しているため、湿原の環境は少しずつ悪化しています。人のインパクトはさらに大きいですから、決して木道を外れないようにしましょう。湿原をさらに進むと、北西から延びるハナリロリロ・トレイルと合流し、展望台に至ります。展望台からは巨大なクレーターの跡を残すオロク・イ地域の広大な景観を楽しむことができます。ここもかつては火山が噴火し、溶岩を吹き上げていた場所だったのです。景色を楽しんだら来た道を引き返しましょう。

木の葉に混じって地衣類が広がる

 ハワイ諸島には多くのトレイルがあります。ホノルル近郊のマノア滝トレイルやカウアイ島のノウノウ山トレイルのように、最寄りの街からのロケーションがとてもよいところが少なくありません。しかし、今回ご紹介するペペオパエ・トレイルはアプローチが長く複雑で、車での走行もむつかしいところです。実際にここを歩く場合は、地元のガイドをつけるか、ネイチャー・コンサーバンシーという自然保護団体に連絡をしてレンジャーが案内をするツアーに参加をするという形を取る方法を強くお勧めします。

 トレイルはすべて木道が敷かれていて迷うことはありませんが、何か所か傷んでいる場所があります。足下に気をつけてください。先に紹介したネイチャー・コンサーバンシー(モロカイ支所)で、事前に情報収集されることをお勧めします。また、足下はしっかりとしたハイキングシューズを用意してください。トレイルの全行程は約2時間半です。

次回はキラウエア・火山にあるナ・パウ・トレイルを紹介します。

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