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花物語(17) ミロ
近藤純夫

ミニチュアのカボチャ状をした果実。野鳥の好物でもある

  ミロ(milo)はアオイ科サキシマハマボウ(テレペシア)属の植物で、和名をサキシマハマボウ、あるいはトウユウナと言います。ハイビスカスの仲間で、ハウと外観や性質が似ています。熱帯アジア原産のミロは、南アジアから太平洋諸島まで広く分布します。

 ハワイでは食器や染料の素材として用いられてきました。学名は Thespesia populnea と言いますが、ギリシャ語の Thespesios には「神聖な」という意味があります。アジアでは寺院の脇に植えられていたことに由来します。ハワイにはマルケサスやタヒチから持ちこまれましたが、タヒチでも寺院(モライ)に植える木として知られていました。ミロは、詠唱(チャント)を唱える人物に霊的な力(マナ)を与えるとも言われています。花は5cmから8cmほどの筒状で、完全には開ききりません。樹高は5mほどのものが多いですが、まれに20m近くの高木になります。


ハワイ島リリ・ウオカラニ・ガーデンのミロの木

 ミロは一般に海の近くに分布しています。塩分に強く、根が海水に浸かっていても育ちます。性質がハウに似ているため、ハウと混生して育つことも少なくありません。朝に明るいクリーム色の花をつけ、夕方濃いピンクから紫色になって落ちる一日花であるところもハウと似ています。葉はハート型をしており、カボチャをミニチュアにしたような実をつけます。

 ミロはポリネシア人がハワイに持ちこんだ伝統植物のひとつして知られていますが、彼らが到来する前から自生していた可能性があります。材は光沢があり、目が緻密なので昔から木工品として人気があります。また、床材や壁材、大型の家具材、あるいはウクレレの素材としても人気があります。コアには独特の臭いがあるのに対してミロはほとんど臭いがないため、ウメケ・アイと呼ばれるポイ・ボール(ポイを入れる容器)や、ウメケ・ラ・アウと呼ばれる食料保存箱として利用されてきました。ただし、食器としてはコウで作られたものの方が人気がありました。臭いに関してはふつうの状態では感じませんが、木と木とこすり合わせると、かすかにバラのような香りがします。

黄色の樹液が出る若い果実

 戦闘用のカヌーの船体もこの木で作られました。(*1) 樹皮はロープに使われましたが、ハウやオロナほど上質ではなかったようです。幹は家具に、根も染料や薬として用いられました。若い葉は食用となりました。現在も床材や食器などの素材として人気があります。樹皮からはタンニンを採り、果実からは黄色の染料を採りました。まだ青いカボチャのような形をした果実の表面に爪で傷をつけると、油絵の具のような濃厚な黄色の樹液が出ます。

*1 ビショップ博物館に展示があります。

 ミロからはさまざまな木工品が作られましたが、それらは基本的に上流階級だけが使えるものでした。今日でこそ、ミロの木は住宅街ではあまり見られませんが、かつては日陰をつくる成長の早い木として、海沿いの土地ではよく用いられました。ちなみに、カメハメハ1世のホノルルの住まいはミロの木に囲まれていたと言われています。

咲きはじめの黄色の花と、落ちずに残った前夜の赤い花

 ミロは高所や日射の少ない場所では育ちません。種子は熟すと黒くなって木質化します。表面がギザギザとしており、アジアでは紙ヤスリや爪切りなどとして用いられました。きわめて塩分に強く、海流に乗って他の島に漂着するとそこで発芽するところは、ココヤシやマングローブに似ています。マウイ島では南部のラペルーズ湾やカフルイ近郊のカナハ・ビーチ、モロカイ島ではハラヴァ湾、オアフ島ではココ・クレーターなどで小群落が見られます。また、植樹が進むカホオラヴェ島でも、ホノカナイアの本部基地に何本も見られるようになりました。

 次回はマイア(バナナ)についてお話しします。トップページは黄色から赤に変色しはじめたミロの花です。

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