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花物語(18) マイア(バナナ)
近藤純夫

バナナ(Mai'a)


たわわに実った果実

 ハワイ語でマイアと呼ばれるバナナはバショウ科バショウ属(あるいはバナナ属)の植物です。食用のバナナは東南アジアが起源ですが、現在主流となっている種なしバナナはマレー半島が原産です。その後、インドの野生種との間で交雑種ができ、これがポリネシア人の手によってタヒチからハワイに持ちこまれました。バナナは太平洋の島々では基本的な食べもののひとつで、多くの神話や物語に登場しますが、ハワイの伝説では、ペレの兄弟がタヒチからハワイにバナナを持ってきたとされています。

 ハワイでは、バナナの夢を見たり、バナナを運ぶ者と出会うこと、あるいは船旅のときにバナナを持って行くのは不運をもたらすとも言われました。また、笑って話すのは熟れたバナナのようだとか、美しい人は若いバナナの葉のようだという喩えもあります。バナナはハワイの暮らしに深く根づいていましたから喩え話は数多くあります。黄色に熟した「マイア・イホ・レナ」と「マイア・ポポ・ウラ」は女性は食べることができませんでした。食べたことが知れると死が待ち受けていたのです。この禁忌(カプ)はカメハメハ大王が亡くなり、リホリホがこれを廃止するまで続きました。

バナナの花(苞)

 ハワイ人にとり、マイアはキノラウでもあります。キノラウとはペレのように、超自然的な肉体を持つ者がさまざまなものに姿を変えたものを言います。ペレの場合は若い女性や溶岩、あるいは老婆などのキノラウがありますが、マイアはハワイの4大神のひとつであるカナロアのキノラウです。

 バナナは学名を"Musa paradisiaca"と言い、50以上の種類があります。きわめて古い時代から食用に改良され、東南アジアから太平洋一帯にかけて分布域が広がりました。ポリネシア人によってハワイに持ちこまれたバナナは、今日では山や渓谷などで野生化しています。バナナは旅人が飢えをしのぐことができるように原野に植えられたり、友人の畑に植えることもありますが、一般にはタロ水田(ロイ)の周囲に植えられます。植え付けはしきたりにのっとって行われることが多く、満月の夜や正午に植えられたりしました。掘る穴の深さは肘までの長さ(ハイリマ)と決められています。バナナは周年で実をつけます。また、非常に強い植物で、病気になったり害虫にやられることはあまりありません。

赤紫色の苞と小さな黄色の花、その上が果実

 バナナは木と見間違えるほど大きく育ちますが、稲や麦と同じ、草の一種(草本)です。幹のようにみえる部分は葉が重なり合っている葉柄と呼ばれるもので、断面はタマネギによく似ています。葉柄は3mから8mほどの高さになります。葉柄の太さは20cmほど、花序は60cmから90cmほどです。黄色の花は大きな赤紫色の苞が1枚開いたとき、その基部に2列に並んでつきます。その内側に花があり、さらに苞があるというように、交互に並んでいます。ちなみに、果実全体を全房、房の一段一段を花段と呼びます。全房は5段から20段あり、1段あたり2本から20本の果実をつけます。バナナの花には受粉のプロセスはないので、地下茎から出る芽を摘んで植えます。葉は螺旋状に付き、最大で2m近くに成長します。栽培には高温(摂氏21度以上)で多雨(年間2000〜2500mm)の環境を必要とします。

 ハワイでは食用の他に、染色や酒や袋、網、家畜飼料、傘、屋根材など、きわめて多くのことに用いられました。薬用としては、完熟したバナナの実を喘息の緩和に、茹でたバナナの実を他の植物と調合して便秘薬に用いました。また、蕾(花汁)は赤ん坊の滋養強壮や、胃腸の病気を緩和するために用いられました。

店頭に並んだ食用のバナナの花(苞)

 バナナは数個の房がつくと花の部分を切り落とします。そのままにしておくと房は増え続け、ひとつひとつが大きく成長しないためです。花のある苞は調理して食べることができます。赤紫色の苞を剥くと花(後のバナナとなる部分)が現れます。その内側にはまた苞があり、さらに花が、と繰り返しますが、やがて苞の色が薄くなりほぼ白くなったら、これを千切りにするなどしたあと、炒めて食べます。ハワイではそうでもありませんが、太平洋の島々では伝統的な食材として知られています。

 次回はハワイ島のポロル渓谷についてお話しします。

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