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花物語(22) ハイビスカス2
近藤純夫
ハワイアン・ハイビスカス1
ハワイアン・ハイビスカス2

 ハイビスカスはハワイを代表する花としてよく知られています。しかし、一般に目にするハイビスカスとハワイ州の花として知られるハイビスカス、それにハワイ諸島に固有のハイビスカスとはそれぞれ微妙に異なります。なぜ「微妙」なのかということをお話する前に、ハイビスカスとは何かを見ていきましょう。

ハイビスカス属

 ハイビスカスが属するアオイ科は、世界の熱帯・亜熱帯を中心に約85属1500種が広く分布しています。科名の「Malvaceae」に含まれる「malva」には「軟らかくする」という意味があるのですが、これはローマ時代に万能薬として使われたゼニアオイの効能が、肌を軟らかくすることだったためです。ゼニアオイは日本でも夏に紫色の可憐な花を咲かせます。ハワイに関連の深いアオイ科の植物としては、ミロやハウ、イリマ、ヒメフヨウなどがあります。

ハワイ固有種

 ハイビスカスは学名(ヒビスクス)がそのまま花の名となりました。基本的には1日花ですが、園芸種は2、3日咲き続けます。なかには、フウリンブッソウゲのように、長期間咲き続ける品種もあります。ハワイ固有のハイビスカスには、フヨウ属(Hibiscus / Aloalo)が10種、ヒビスカデルフス属(Hibiscadelphus / Hau Kuahiwi)が6種、コキア属(Kokia / Kokiʻo, Hau Hele ʻUla)が4種の、計3属20種が確認されています。

一日で色を変えるハウの花
ディスタンス(ハウ・クアヒヴィ)

ワイキキのハイビスカスは?

 ハワイで一般にハイビスカスと呼ばれるのはハワイアン・ハイビスカスです。これは中国原産のブッソウゲ(Hibiscus rosa-sinensis)にハワイの固有種をかけ合わせてつくられたもので、カメハメハ王朝の時代(1872年)から園芸品種作りが行われました。当初は外来種だけで行われていましたが、1902年にギフォードという植物学者が固有種を交雑させて4つの園芸品種を誕生させました。1919年より王室直轄の農業試験場で本格的な交配が行われるようになり、今日では5000〜6000を超える品種があると言われます。園芸種のハイビスカスの元となったのは、ハイビスカス・コキオ(コキオ・ウラウラ、ハウ・ヘレ・ウラ)というオレンジや真紅のハイビスカスやハイビスカス・アルノッティアヌス(コキオ・ケオケオ)という白いハイビスカスなどです。

 今日、多くの人たちに認知されているハワイアン・ハイビスカスは外来種が基本であるものの、ハワイの血もわずかながら混ざる、ハワイゆかりの花ということができるのです。わずかながらですが、ハワイの血のあるなしがブッソウゲとは「微妙」に異なる点と言えます。

ハイビスカスは草?

 ここまでハイビスカスを草花のように書いてきましたが、園芸種のハイビスカスで樹高2m以上、固有種は10mを越えるものもある立派な樹木です。ハワイ諸島の、とくに山間部に点在しています。園芸品種とハワイ固有種のもっとも大きな違いは香りにあります。後者はいずれもすばらしい芳香があり、レイとして使えばもっとも人気が出そうですが、残念ながらいずれの固有種も絶対数が少なく、採取は禁じられています。

ハワイ州の花、ハイビスカス・ブラッケンリッジー
ハイビスカス・コキオ

州の花

 1923年、最初にハワイ州の花として制定されたのはハイビスカス・コキオです。気品にあふれたこのハイビスカスはハワイ州の花として完璧でしたが、あまりに個体数が少なく、一般に馴染みが薄いという理由で変更を余儀なくされました。今日のハワイ州の花である黄色のハイビスカスは、1988年に制定されたハイビスカス・ブラッケンリッジー(英名:native yellow hibiscus、ハワイ名:マオ・ハウ・ヘレ)です。

薬用、用具、信仰

 ハイビスカスの近縁であるハウは昔からたいせつな木として扱われ、首長(アリ・イ)の許可なく利用することはできませんでした。ハウの幹や樹皮の内側にある繊維はロープの原材料となり、イプ(ヒョウタン)や、ウペナ(漁網)、カパ(服やゴザの生地)などに用いられました。また、太い枝からはカヌーの帆桁(イアコ)が作られたほか、魚の産卵期には漁場にハウの枝が立てられ、禁漁(カプ)となりました。ハイビスカスは薬用としても重んじられ、樹皮や葉、花弁から採れる樹液は便秘薬として、蕾や果汁は乳児の離乳食、あるいは胸部が鬱血したときの治療薬として用いられました。

ワイメアエ(コキオ・ケオ・ケオの一種)
ハウ・ヘレ・ウラ

【関連記事】「特集 知る・歩く・感じる『花物語 (1) ハイビスカス』」

トップページの画像はコキオ・ケオ・ケオの一種、イマクラトゥスです。
次回は、オアフ島のシーライフ・パークについてお話しする予定です。

【ハワイの植物】
 花物語 (1) ハイビスカス 2002年10月3日
 花物語 (2) プルメリア、ブーゲンビレア

2002年10月17日

 花物語 (3) オヒアレフア 2003年4月3日
 花物語 (4) オヒアの生き方 2003年4月17日
 花物語 (5) コーヒーの話 2003年9月4日
 花物語 (6) グァバ 2003年9月18日
 花物語 (7) シダの世界 その1 2004年1月15日
 花物語 (8) シダの世界 その2 2004年2月5日
 花物語 (9) パイナップル 2004年5月20日
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2005年7月21日

 花物語 (13) パンノキ 2005年8月4日
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 花物語 (17) ハラ(タコノキ) 2007年2月15日
 ヤシの木の世界 (1) ココヤシ 2004年12月16日
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 タロイモ(カロ) 2007年3月15日
 エイミー・グリーンウェル民族植物園 2007年6月21日
 > その他の特集は、こちらの「バックナンバー」からご覧いただけます。

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