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ワウケと染色に用いられた植物
近藤純夫
ワウケの葉(1)
ワウケの葉(1)
 ワウケ(wauke, paper mulberry, Broussonetia papyrifera)は和名をカジノキと言い、ハワイの伝統社会では布の素材として衣服や寝具などに用いられました。このような素材にはハーブティーとして今日でも利用されているマーマキも用いられましたが、耐久性はワウケが一番でした。日本でも昔はご神木として、神への捧げ物に用いる敷物として用いられました。コウゾやミツマタの植物は紙幣を作るのに用いられますが、カジノキはコウゾと近縁にあります。アメリカでは小枝がシカの餌となることからディアーズ・ツリーとも呼ばれます。  ワウケの樹高は最高で15メートルほどになりますが、ハワイでは3〜5メートルの低木が多いようです。葉は生長の過程や株によって異なり、卵型のものから3裂するものまでが、ときに1本の枝に共存することもあります。共通するのは葉脈で、淡い緑の葉に暗緑色の模様が入ります。花は赤色からオレンジ色となり、雄花と雌花とがあります。受粉すると花より一回り小さな丸い実を付けます。この実は甘みがあり、生食できます。

樹皮部分(1)
樹皮部分(1)
 ワウケの樹皮は極めてしなやかで強いため、主に太平洋の文化圏で布地として用いられました。ハワイにはポリネシア人がその文化を持ち込んだとされています。ワウケの樹皮を剥いで外皮のすぐ内側の柔らかな部分を取り出し、これを水に浸けながら叩いて伸ばします。これを何度も繰り返して薄くしなやかな布を作ります。1枚では耐久性が低いので、一定の厚みに達するまで幾重にも重ねいきます。今日でもワウケの繊維は需要があり、日本ではティッシュペーパーの素材のひとつとして用いられています。

 作られた布はカパ(タパ)と呼ばれます。叩いて伸ばすだけの布は不織布と呼ばれ、世界中にその文化はありますが、ハワイの不織布は世界最高の品質と言われています。

 > 特集「カパ」 (2010年8月19日掲載)

 できあがったカパは染色されます。主な素材のうち、ハワイ固有の植物と伝統植物(カヌー・プランツ)から作られる素材は次の通りです。

樹皮部分(2)
  アーカラの果実 ピンク色、赤色
  アラアラワイヌイの葉と茎 灰緑色
  アラヘエの葉 黒色
  アマウ(シダ)の葉 赤色
  ハメの果実 赤色、暗紫色
  ハウ・ヘレ・ウラの花弁 淡赤色
  ホーレイの枝、樹皮、根 黄色
  フアヘキリ・ウカの果実 黒色
  カロ(タロイモ)の根茎 赤色、紫色(※伝統植物)
  カマニの果実の殻 茶色(※伝統植物)
  カウイラの葉と樹皮 青みがかった色
  コー(サトウキビ)の葉と茎   黒色(※伝統植物)
  コアの樹皮 赤色
  コキオ・ウラの花弁 赤色、オレンジ色
  コーレア・ラウ・ヌイの花汁 赤色
  コーレア・ラウ・ヌイの根 黒色
  コウの葉 茶色(※伝統植物)
  クーカエネネの樹皮 黄色
  クーカエネネの果実 紫色、黒色
  ククイの果実 灰色(※伝統植物)
  ククイの樹皮、幹 茶色、赤色(※伝統植物)
  ククイの実を燃やした煤 黒色(※伝統植物)
  ククイの樹皮と根 赤褐色(※伝統植物)
  マイア(バナナ)の葉、幹 黒色(※伝統植物)
  マオの葉 灰緑色(※伝統植物または固有植物)
  ミロの果実 黄緑色(※伝統植物)
  ナーヌーの果実  黄色
  ナウパカ・クアヒヴィの果実 暗紫色(※「山のナウパカ」)
  ノニの樹皮、根 黄色、赤色(※伝統植物)
  オヒア・アイの樹皮、幹 茶色(※伝統植物)
  オーラパの果実、葉、樹皮、根   青みがかった黒色
  オーレナの地下茎 黄色(※伝統植物)
  パーイヒの茎の皮 黒色(※伝統植物または固有植物)
  パラアー(シダ)の葉 赤褐色
  ピリの葉身 黒色
  ポーポロの果実 暗紫色
  ポーポロの葉 緑色
  ウキウキの果実 紫色、青みがかった色
  ウーレイの果実 ラベンダー色、紫色
  ウル(パンノキ)の雄花 黄色、茶色(※伝統植物)

葉と樹皮
 上記の植物の他にも用いられた植物はあります。また、時代によって用いられる植物は少し異なりました。

カパには香り付けもされました。主な素材は以下の通りです。

  アヴァプヒ・クアヒヴィの根茎 (※伝統植物)
  ハラ(タコノキ)の雄花
  イリアヒ(ビャクダン)の木片
  カマニの花(※伝統植物)
  ラウアエ(シダ)の葉(※外来植物)
  マイレの葉
  モキハナの種子、茎
  アマウ(シダ)の樹液

など。

ワウケの葉(2)
 このようにハワイの文化では欠かすことのできない植物ですが、北米や南アジアなどでは繁殖力の強い有害植物に指定されています。

 トップページはワウケの花と葉です。次回はコアホウドリなど海鳥についてお話しする予定です。
 

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